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卸売DXとは?卸売業が抱える課題やDX事例を紹介

ネット通販やオンライン決済などが急速に伸びている中、従来のビジネスモデルである卸売業は改革を求められています。

今回の記事では、「卸売DX とは?」「卸売DXの現状と課題」「卸売DXのメリット」について詳しく解説していきます。

実際に、卸売DXを導入した企業の事例についても紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

卸売業界の課題解決に向けた「卸売DX」とは?

DXを進めることで、業務の効率化や利益率アップを図るのが卸売DXです。

卸売業とは、各種メーカーから商品を仕入れ、小売業者へ販売する事業を指します。

卸売業者が担う役割は幅広く、「需要と供給の調整」「物流の効率化」「商品の多様化」「大規模なマーケティング戦略」「代金回収の円滑化」などがあげられます。

しかしながら、インターネットの普及とコロナ禍でのネットショッピング増により、卸売業者を介さずとも消費者が欲しいものを購入できる仕組みが確立し、卸売業のニーズは低下しています。

ただし日本市場は商品の種類が圧倒的に多く、この先、卸売業が消滅してしまうことはないでしょう。

そこで求められているのが、ECサイトを中心とした販売形態に対応できるDX化です。

具体的には、ファッション業界でシーズンごとに開催されていた展示会を、オンライン展示会へと切り替え、インターネットを活用した販路拡大などがあります。

卸売DXの現状と課題

従来の日本における卸売システムは、物流・決済などのサービスを有償として提供しておらず、取り扱い拡大や囲い込みの際のサービス手段として機能してきました。

しかしながら人件費の高騰、小口配送の増加による物流コストの大幅な増大など、卸売業を取り巻く環境は大きく変わってきています。

では実際に、卸売業はどのような課題を抱えているのでしょうか。具体的に説明していきます。

卸売DXの現状と課題①他社との差別化

卸売業はメーカーとは異なり、自社で商品を作るわけではありません。

そのため他社との差別化を図るには、商品の質や価格以外のサービス面で優位性を持たせることが大切です。

例えば、商品の入出庫や在庫管理などをアナログで行っていると、リアルタイムで商品の動きを把握することは難しいでしょう。

タイムラグはビジネスチャンスを逃すことにつながり、サービス低下を招きます。

今後は、インターネットを取り入れたサービスの展開や、物流コストの見直し、販促などのマーケティング支援などを提案し、他社よりもメリットが大きいと感じてもらう必要があります。

卸売DXの現状と課題②SDGsへの取り組み

SDGsへの取り組みは、卸売業においても求められています。

SDGsは、環境や人権、貧困などさまざまな問題を2030年までに地球規模で解決していこうという取り組みのことで、DXとも深い関係があります。

例えば販路拡大のためにグローバル市場を視野に入れると、まず言語によるコミュニケーションの壁が立ちはだかりますが、AIによる多言語同時通訳技術を取り入れれば世界中へ販路を広げることが可能です。

卸売業は商取引が複雑で、いかに効率よくできるかが焦点ですが、卸売DXの導入でこうした課題を解決できるだけでなく、SDGsへの取り組みにも貢献することが期待できます。

卸売DXの現状と課題③人手の確保

卸売業は毎日数多くの取引を行います。

アナログでの作業は多くの人の手を必要としますが、昨今の日本は少子高齢化による人手不足が深刻です。

受発注システムを導入するなどDX化を進めなければ、人的リソースの不足は避けられないとみられています。

ITツールなどを導入したDX化によって、今まで人の手で行っていた業務をデジタル処理できれば、人的リソースをマーケティングや販促など、ほかの業務に回すことが可能で、人手不足の解消につながるでしょう。

卸売業がDXを活用するメリット

様々な業界でDXが導入されており、そのメリットはそれぞれ異なります。

卸売業界では、商品を製造者から消費者へ効率よく移動するための、サプライチェーンが重要なカギを握ります。

ここからは卸売DXがサプライチェーンにどのようなメリットを生み出すのか、具体的な3つのポイントについて解説していきます。

卸売DXのメリット①受発注プロセスの最適化

受発注プロセスの最適化や自動化は、デジタル技術の得意とする分野です。

従来、卸売業における注文方法は「電話」「FAX」「メール」「Web」など複数に分かれています。

これらの注文作業を仕分けするには人の手が必要で、それぞれにマンパワーを必要としていました。

注文した商品を早く受け取りたい消費者のために、注文FAXを長時間放置しておくことはできず、FAXやメールでの注文が難しい高齢者などの電話対応もしなければなりません。

しかし近年DX技術が向上し、Excel・FAX・紙・Webなどで作成したそれぞれの文書を読み込めるAI-OCRやRPAなどが開発されています。

これらのデジタル技術を導入して受発注処理プロセスを電子化することで、卸売業での間接部門の人手不足を解消し、より迅速に効率化することが期待できるのです。

卸売DXのメリット②管理タスクの最適化

AI-OCRやRPAの導入で蓄積されたデータは、請求書の発行・受領処理、経費精算など管理業務作業の最適化に生かすことが可能です。

今まで文書による請求書は、書式が各取引先ごとにバラバラで、手作業による手入力をしてきました。

そのため膨大な時間がかかるだけでなく、手作業による入力ミスが起こることも少なくありません。

卸売DXによる請求書発行のデジタル化を実現すれば、封書などへの挿入作業や発送業務といった定型作業を省き、業務自体の効率化が可能です。

また封書や郵送料などのコスト削減にもつながり、テレワークでの作業も可能、多くのメリットを生み出します。

ほかにも経費精算システムの導入は、経理業務の大幅な軽減につながります。

今までは従業員が経費を計上するために、出社して書類を作成、各部門の承認が必要でしたが、経費精算システムを使って領収書を画像認識すれば、自動入力・処理されてわざわざ出社して経費計上業務をする必要がなくなります。

経理部署も、期日直前に膨大な経費処理をすることなく、前もって処理を分散し負担を軽減することが可能です。

卸売DXは管理タスクの最適化し、業務効率向上に欠かせないシステムです。

卸売DXのメリット③コスト削減

卸売DXの推進は、トップ主導でコスト削減に取り組んでいくことの指標になり、社内の意識改革につながります。

自社で商品を作り出すことがない卸売業では、製品開発におけるコスト削減ができず、物流コストや業務効率化などによりコスト削減を実現しなければなりません。

卸売DXの導入は、日々の作業コストを見える化し、社員一人ひとりに対して、コストの「見せる化」することが可能です。

印刷・用紙・郵送代などの請求書発行に関するコスト削減、人的リソースの削減、紙書類の仕分け作業の軽減など、卸売DXで実現できるコスト削減はいろいろあります。

卸売業界の課題解決・卸売DXの事例

卸売業は、メーカーと小売業をつなぐ役割であり、他社とのつながりが大きいのが特徴です。

そのため単独でDX化を進めることが難しい業種ともいわれています。

しかしながら卸売DXは、今後企業が生き残っていくためには必要な改革であり、なるべく早く進めていく必要があります。

ここからは卸売DXを実際に導入した企業の事例をいくつか紹介していきます。

卸売DX導入企業①株式会社三越伊勢丹ホールディングス

コロナ禍における外出規制は、百貨店に大きなダメージを与えました。

特に顧客との対面接客を売りとする百貨店では、外出自粛での影響が大きく、売り上げを大幅に減少せざるを得ませんでした。

そのような中、新しい販路として改革に着手したのが、株式会社三越伊勢丹ホールディングスが導入した「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」です。

三越伊勢丹グループはすでにECサイトを運営していたのですが、ここで扱われている商品の数は実店舗のラインナップには到底及ばず、全国の実店舗を補う収益は得られていないのが現状でした。

そこで顧客がチャットやビデオを通して、三越伊勢丹販売員の接客を受けられるアプリを開発、購入に際した相談や購入までを、自宅に居ながらワンストップで完結するようなアプリを開発したのです。

ほかにも的確なファッションアドバイスを可能にする顔診断や、プロが選ぶワインの定期サービスなど、百貨店ならではの高品質な接客をこのアプリ上では展開しています。

アプリの新規利用者は20代や首都圏以外の層も多く、今まで三越伊勢丹に足を運ばなかった新しい顧客の獲得にも一役買っています。

卸売DX導入企業②株式会社トライアルカンパニー

地元民の生活を支えるスーパー「トライアル」を運営する株式会社トライアルカンパニーは、既存事業と新規事業の両立をはかるIoT/AIソリューションの開発・実装に取り組みました。

小売業を営む株式会社トライアルカンパニーは、小売りだけでなく流通においてもDX導入を進めています。

卸売DXの導入によって、卸売物流と自社物流を組み合わせた物流の効率化、POSデータをメーカー・卸売業と共有しマーケティングの高度化を実現させました。

またこれらを実現させるためには、実店舗で導入したAIカメラのデータを利用しています。

AIカメラを導入したのは65店舗(2021年時点)、ここで得られたカメラやPOSデータは処理・分析後に卸業者やメーカーと共有、リテールAIを小売りや卸でのマーケティング戦略への活用にもつなげています。

卸売DX導入企業③株式会社TATAMISER

日本の伝統産業である畳を、DX化によって世界中へ販路を広げたのが「株式会社TATAMISERです。

近年の日本の住宅事情は、フローリングなどの生活環境の変化から畳の需要が激減していますが、海外に目を向けると日本文化への憧れを抱く外国人は多く、実際に海外での展示会では畳は大きな注目を浴びました。

そこで海外からの注文をECサイトに呼び込めるよう、翻訳サービスなどを利用して独自のECサイトを構築、Web上で畳の色や図柄、素材まで選べるオーダーメイド畳の注文を受け付けています。

海外からの顧客がわかりやすいよう、畳の商品説明は施工例の画像を多くする工夫をし、説明の文章は英語でシンプルに、海外からの閲覧者にとってわかりやすいようなサイト作りを心掛けました。

株式会社TATAMISERは決して大きな企業ではありません。

少人数でのグローバルECサイトを運営できるよう、効率的なオペレーションを積極的に採用し、中小規模でもDX化は実現できることを実証しています。

ほかにも、埼玉県の川口商工会議所のデジタル支援事業では、DX化を進めたい事業所とIT事業者をマッチング、課題解決に向けた取り組みを支援しています。

実際このサポートにより、倉庫内にある商品をバーコード管理するシステムを導入、誤出荷や積み残しが減り、人的リソースはそのままで倉庫スペースを拡充することに成功したDX導入事例が紹介されています。

卸売DX化をご検討の方はMabuhayTechへ

ネット通販やオンライン決済が普及したことにより、卸売業界は転換期を迎えています。

商品を作り出さない卸売業が他社と差別化するためには、物流コストの見直しや販促マーケティング支援など、サービス面での優位性がカギとなります。

卸売DXは、受発注プロセスや管理業務の最適化・効率化を図り、人手不足解消につなげることが可能です。

人的ミスを減らしたり、紙代・郵送代などのコスト削減にもつなげられる卸売DXは、卸売業界の革新には不可欠と言えるでしょう。

MabuhayTechは、ソフトウェア開発やラボ型開発でのIT人材派遣を行っている会社です。

日本ではIT人材が不足しており、DX化を図りたくてもできない企業がたくさんあります。

MabuhayTechが拠点を置くフィリピンは、国を挙げてIT人材の育成に取り組んでおり、日本より優れたITエンジニアがたくさん育ってきています。

そうしたIT人材を日本の企業に紹介するのがMabuhayTechの役目です。

また企業の規模や業界にこだわらず、安全性と信頼性の高い高品質なソフトウェア開発サービスを展開できるのもMabuhayTechの強みです。

もちろん、システム開発やDX導入を進めたくても、どこから手を付ければいいかわからないという人も多くいるでしょう。

そんな悩みにもMabuhayTechは丁寧にサポートしていきます。

まずはどんなことでもご相談ください。MabuhayTechと一緒に明るい未来を考えていきましょう。

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教育DXとは?導入によるメリットやDX事例を徹底解説

生徒一人一台にタブレットが配布されるなど、学校教育の場でDX化が進められています。

文部科学省でも教育DXの推進はて提唱されており、導入することへのメリットも大きいと言われています。

この記事では、教育DXについて「教育DXとは?」「教育DXの現状と課題」「導入のメリット」などについて詳しく解説していきます。

実際の教育DX事例も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

教育DXとは?メリットやDX事例を徹底解説

教育DXとは、デジタル技術を活用して教育改革を行っていく取り組みのことです。

世界中で情報化が進んでいる昨今、それらに対応できるような教育を確立する必要があります。

もちろん一人一台のタブレットを配布し、教科書の代わりにタブレットを使ったり、宿題をタブレットで提出・添削したりするのも教育DXの一環です。

しかしながら、ツールを使いこなすだけが教育DXではありません。

デジタル技術を用いて授業価値を高度化する、生徒の出席記録や様子などを入力してデータ管理する、学ぶ場所を選ばない教育改革など、教育現場で実現可能なDXは多岐にわたります。

さらに、学生時代からデジタルに対応することで、将来、デジタル人材育成に役立つことが期待されているのです。

教育DXの現状と課題

教育DXは生徒だけでなく、学校現場・保護者といった3者にそれぞれメリットをもたらします。

しかしながら、その導入は決して簡単なものではありません。

では教育DXの現状と、立ちはだかる課題とはいったいどのようなものなのでしょうか。

教育DXの課題①インフラの整備の遅れ

教育DXひとつめの課題は「インフラ整備の遅れ」です。

手始めに、「全国の小中学校で生徒一人一台のタブレット端末を配布する」といった目標は、GIGAスクール構想が進められる中で実現されました。

しかしタブレット端末は維持費がかかります。

不備が出た端末を毎年新しくしたり、ソフトウェアの更新をしたり、端末を配布しただけで終わりではなく、インフラ整備は使い続ける以上永遠に続くものなのです。

導入コストと維持費は莫大なものであり、予算が割けない自治体のインフラ整備の遅れが指摘されています。

教育DXの課題②指導側の知識不足

教師や指導者側の情報リテラシーや知識不足も問題です。

教育DXの実現は、IT人材の確保がなければ成り立たず、しかも教師のITリテラシーが低いままでは、せっかくのデジタル教材を生かした授業ができません。

環境整備だけでなく、教育現場に立つ教師のリテラシー習得も大きな課題と言えるでしょう。

教育DX導入のメリット

教育DXで得られるメリットは、立場の違いによって異なります。

「教育者」「生徒」「保護者」、それぞれの立場で異なるメリットについて解説していきます。

教育DX導入のメリット①教育者にとってのメリット

日本の教育現場では、先生1人が何十人といった生徒を受け持ちます。

当然、生徒個人の特徴は異なりますが、従来の教育現場では、先生が感覚的に生徒の個性を把握している状態でした。

取得できるデータは「定期テスト」といった限られた情報であり、詳細なデータに基づいて細やかな指導を行うというのは難しかったでしょう。

教育DXが進めば、定期テストだけでなく日々の小テストや課題の達成状況、出席記録、毎日の生徒の様子など、さまざまなデータを蓄積することが可能です。

それらのデータをもとに、生徒一人一人のデータを客観的に把握し、特性にあわせた指導を行っていけるようになります。

また、今まで紙ベースだったテストや課題をデジタル化すれば、回収・採点・集計・成績評価といった事務作業の時間を大幅に短縮できるでしょう。

業務効率化が進めば、問題となっている教師のワークライフバランス改善にもつながり、教師不足や離職率改善といった課題の解消も期待できるのではないでしょうか。

教育DX導入のメリット②生徒にとってのメリット

生徒や児童にとって、教育DXのメリットひとつめは、効率的に学習ができるという点です。

今後、感染症の拡大や大規模な災害なので、学校へ登校できないといったことも起こり得るでしょう。

この場合、DXにより遠隔授業が行われれば、生徒は学校へ行かなくても授業を受けられます。

もちろん何らかの事情で長期欠席を余儀なくされている生徒にとっても同じで、どのような環境でも授業を受けられる教育DXは、生徒たちにとってメリットの大きなものとなるでしょう。

ほかにもデジタル教科書の活用は、学習をより効率的に取り組むことが期待できます。

例えば、ネイティブの発音で英語を学ぶことができたり、算数の立体図形をわかりやすく動画で確認できたり、紙の教科書以上の情報で深い理解が可能になります。

重要事項をマーカーで引いている生徒は多くいますが、誤って引いてしまったマーカーを消すこともデジタル教科書なら簡単です。

教育DX導入のメリット③保護者にとってのメリット

教育DXは、学校と保護者との連絡を簡素化できます。

子供が体調不良で欠席をするとき、従来であれば電話連絡が必須でしたが、朝の忙しい時間に電話連絡をするのは大変で、なかなかつながらないといった問題もありました。

スマートフォンなどのデジタル機器を用いた欠席・遅刻連絡が可能になれば、保護者の負担は軽減され、学校側の集計ミスもなくすことができます。

また紙で行っていた学校アンケートをオンラインでの回答にすれば、提出忘れや紛失などを回避することが可能です。

ほかにも、特に低学年のうちは、提出物や学習の理解度が気になる保護者は多いでしょう。

こうした学習状況を保護者が客観的に把握できれば、苦手分野へ早めに対応可能となります。

教育DXの課題に向けたDX事例

生徒一人ひとりへのタブレット配布というインフラ整備は整ったものの、その後は何をすればいいのかわからないという声をよく聞きます。

そこで実際に教育DXがどのように進められているか、企業が導入した具体的な事例を紹介していきます。

教育DX事例①「Classi」

「Classi」は、教育現場のICT化をサポートしてくれる教育プラットフォームです。

利用できるデバイスは、PC・タブレット・スマートフォンなどマルチ対応していて、様々な方向からコミュニケーションが取れるクラウドサービスとなっています。

「アダプティブラーニング」「アクティブラーニング」「コミュニケーション」「ポートフォリオ」4つの領域で学習をサポート、ほかにもメッセージ機能やアンケート機能などを搭載しています。

例えば生徒には、外部模試の結果をもとに、AIがその生徒のために選んだ問題を出題、学習効果を最大限に引き出してモチベーションをアップさせます。

単元や学習主題など、必要なキーワードによる検索を可能にしたアクティブラーニングができるほか、一人ひとりにあわせた学習内容が最適化されていくアダプティブラーニングにも対応。

飽きの来ない学習方法で、将来の夢に向かってチャレンジすることができます。

教師の業務は、何かと事務作業が多く、負担が大きくのしかかっていましたが、Classiの利用により生徒の活動履歴をより細かく、客観的に把握できるようになりました。

また様々なデータをもとに、生徒の情報を可視化することで、ベストなタイミングで生徒への声掛けができるようになっているのも魅力です。

「Classi」は学校と保護者をつなぐツールでもあります。

スマートフォンで欠席・遅刻・早退などが入力できる「欠席連絡機能」は、忙しい朝の保護者負担を軽減しました。

ほかにも生徒を通じて配布されていたプリントをオンラインで行ったり、保護者へのアンケート回答がスマートフォンなどから自由に参加できたり、コミュニケーションを効率よく行える工夫がしてあります。

「Classi」を利用している学校数は、2022年度末時点で累計2300校、利用生徒数は210万人以上に達しています。

教育DX事例②「atama+」

「atama+」は、AIを用いて生徒一人ひとりの理解度を分析、「自分専用の学習カリキュラム」を作ってくれる学習システムです。

自分一人で勉強していると、「次に何をすればいいの?」と迷ってしまうことも少なくありません。

「atama+」は、収集したデータをもとに、一人ひとりに合った演習・講義動画などを明確に提示してくれるので、指示に従って勉強を進めていくだけで徐々に力が付いてきます。

「atama+」は、特に中高生をターゲットとしたパーソナライズ教材であり、範囲の広い共通試験などの学習対策として有効です。

診断 ⇆ 講義 ⇆ 演習 ⇆ 復習 といったカリキュラムを、AIが自動で組んでくれるので、自分の足りない部分を効率よく補う学習が可能になります。

もっとも優れている点は、苦手分野やあいまいになっているところを、遡って教えてくれる、つまり遡行学習ができる点です。

英語や数学などは、特にわからなくなったときに遡って学習することが大切だと言われており、「atama+」を利用する価値は高いでしょう。

教育DX事例③「Qubena」

「Qubena」は全国の小中学校のデジタル教材として注目されています。

国語・算数(数学)・理科・社会・英語に対応していますが、特に人気が高いのは算数・数学の作図やグラフ作成問題です。

例えばコンパスを使った作図では、[コンパスツール] をタッチして、作図の中心にコンパスの針を合わせて描きます。

ほかにも[分度器ツール][定規ツール][点ツール]などがあり、関数のグラフ作成なども対応可能です。

もちろん生徒が解いた問題などは管理システムにリアルタイムで分析され、その後の学習カリキュラムに反映されます。

実際に導入した学校事例によると、教科書に設定されている授業時数よりも短い時間で学習範囲を終了し、創出された時間を先取り学習や探求学習に充てることができたという回答も得られています。

教育DX事例④「Comiru」

「Comiru」は、学習塾専用の業務効率化システムツールです。

塾は勉強などを教える業務以外にも、「保護者対応」「入退室管理」「成績管理」「請求書作成」などがあり、講師に大きな負担がかかっていました。

こうした対応に不満があると、退塾する生徒が増えたり、講師の離職率が高くなったりします。

「Comiru」は請求書作成・成績管理・座席管理などの事務的な業務を自動で行ってくれ、さらに生徒の保護者とのコミュニケーションツールも搭載しています。

このツールを導入することで、月100時間もの業務時間削減に成功した塾もあり、講師負担軽減や人件費などのコスト削減が実現可能です。

教育DX化をご検討の方はMabuhayTechへ

デジタル改革は、教育現場でも行われています。

未来を担う子供たちにとって、情報化へ対応した教育は必要不可欠であり、生徒一人一台のタブレット配布を始め、国も教育DXを推進しています。

ただしタブレットを配布すればDXが終了というわけではなく、その後もソフトウェアの更新や端末の刷新などインフラ整備は続き、教育者・生徒・保護者の三者にとってメリットをもたらす取り組みが必要です。

具体的には、生徒の成績や毎日の様子などをデータ化し、指導を客観的に行えるようにしたり、生徒が効率的に学習することができるようにしたり、保護者とのコミュニケーションがより円滑に行えたりできることが、教育DXのメリットと言えるでしょう。

実際の教育現場でも、DX導入は進められていて、生徒の学習向上だけでなく、教育者の負担軽減などにも役立っています。

フィリピンに拠点を置くMabuhayTechは、日本企業のアウトソーシングをサポートしており、教育DX を実現するためのシステム開発に対応しています。

フィリピンは、オフショア開発国として人気が集まっていますが、その理由は優秀なIT人材が多くいるからです。

国を挙げたIT人材の育成に取り組むフィリピンには、若くて優秀なIT人材が育っており、人材不足に悩む日本企業とマッチングしたオフショア開発への取り組みが注目されています。

MabuhayTechでは、教育DXのためのソフトウェア開発や、ラボ型開発のためのIT人材派遣などを提供しています。

ありとあらゆる業界で、今後DX化が急速に進められていくと考えられている中、「どのようなことから始めればいいのか」「どういった方法があるのか」と興味がある人も多いでしょう。

まずは一度MabuhayTechにご相談ください。一緒に明るい未来について考えていきましょう。

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TOP > メディア > 農業DXとは?農業DXを推進するポイントやDX事例を徹底解説

農業DXとは?農業DXを推進するポイントやDX事例を徹底解説

第一次産業である「農業」と「AI・IoT・ロボットなどのデジタル技術」を結び付けた農業DXの取り組みが始まっています。

私たちにとって「食べること」は生きていくうえで欠かせないことです。

今後、安定した食料供給を続けていくためにも、生産・流通・小売り・消費者・行政といった農業にかかわる全てをデジタル化していくことが重要だと言われています。

今回の記事では、「農業DXとは?」「農業DX構想とは?」「農業DXの現状と課題」「農業DXの推進ポイント」について詳しく解説していきます。

課題解決に向けた農業DX事例も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

農業の課題と立ち向かう農業DXとは?

農業DXとは、農業の生産性だけでなく、流通や小売り・消費者など、農業にかかわる全てに対し、AIやIoTなどのデジタル技術を活用して、食の安定供給を目指す取り組みを指します。

例えば、従事者の高齢化が進み、後継者不足が課題となっている生産現場では、ロボットや自動運転技術を搭載した農業機械などを利用することで、少人数でも大規模な農場運営が可能です。

また作付けや収穫時期は、長年の経験に基づいて行われてきましたが、さまざまなデータを集めて可視化、AIによる予測を活用することで、生産性の向上が期待できます。

世界的に気候変動が進み、農作物の収穫量が減ってしまうことが懸念されています。

日本でも食料自給率を上げるためのデジタル化推進が必要とされており、なかでもロボットやAI、IoTなどの技術を活用したスマート農業への注目は高まっています。

農林水産省発表の農業DX構想とは?

農林水産省でも農業のDX化を推進しています。それが「農業DX構想」です。

農業DXの目的と意義は「デジタル技術を活用して効率の高い営農を実行しつつ、消費者ニーズをデータで捉え、消費者が価値を実感できる形で農産物・食品を提供していく農業の実現」です。

日本の食を支える農業者は、7割が65歳以上だと言われています。

そして彼らの培っていた農業を引き継ぐ人材の確保には至っていません。

つまりこのままでは食料の生産量が落ち、私たち消費者が必要としている供給量が得られず、食糧不足を引き起こしかねない状況なのです。

この問題を解決するために、デジタル技術の力を活用するのが「農業DX構想」です。

わかりやすく言うと、デジタル技術を導入することで、少ない人でも農業生産性を高めていく、それが農林水産省が目指している農業DXになります。

日本が直面している農業DXの現状

もちろん、すでにこの農業DXを取り入れているところはあります。

2023年2月に発表された「DX白書2023」によると、農業・林業でDXを実施していると答えた企業は45.4%に上っています。

この数字はほかの業種と比べても高く、農業従事者はDX化について強い関心を持っているといっても過言ではありません。

では具体的に、どこで、どのくらい進んでいるのか解説していきます。

日本の農業DXの現状①生産現場

生産現場で進められているのが「スマート農業実証プロジェクト」で、全国148地区で導入されています。

具体的には、遠隔操作や自動走行を装備した農業機械やドローンを使った農業実証実験の実施です。

農薬散布をドローンで行い、時期を迎えた作物は自動収穫ロボットで収穫、収穫された作物の選果や箱詰めを別のロボットが担う、今まで属人的な生産体制だった農業を、少ない人数でもまわせるような取り組みが試験的に導入されています。

日本の農業DXの現状②農村地域

農村地域で行われているのは、地方と都市を結ぶ人材のプラットフォームです。

農業に興味があったり、農村地域へ行ってみたい若者と、人手不足に悩む農村をマッチングアプリでつなぎ、“お手伝い”してもらうサービス「おてつたび(株式会社おてつたび)」は、利用者が増えつつあります。

また農林水産省が公開している「INACOME(農林水産省)」は、後継者不足に悩む農家の事業継承プラットフォームとしてさまざまな取り組みをしています。

日本の農業DXの現状③流通・消費

消費に関しては、農業者と消費者が直接やり取りして販売・購入できる通販サイトへの取り組みが進められています。

例えば「食べチョク(株式会社ビビットガーデン)」は、市場やスーパーを介さずに直接生産者から消費者へ届く仕組みで、収穫から最短で24時間以内に鮮度のいい食材が届くサービスとして人気です。

このシステムには、生産者と消費者が直接やり取りできる機能がついており、おすすめのレシピを聞いたり、生産者へ直接お礼を伝えられるなど、「顔」の見えるサービスが魅力といえるでしょう。

一方、流通に関しては未だDXへの取り組みは進んでいないのが現状です。

日本の青果流通は、ほとんどが市場流通によって売買されているため、「大規模卸売市場 → 小規模卸売市場 → 小売店 → 消費者」といった仕組みは、時間や輸送コストがかかり、鮮度も低下するといった問題を抱えています。

しかしながら、市場流通にかかわるステークホルダーの課題などにより、農業の流通DXはなかなか進んでいないのです。

日本の農業が解決すべき農業DXの課題

農業の課題は、ずいぶん前から指摘されていましたが、コロナ禍でサプライチェーンが分断されたことにより、より課題が浮き彫りになりました。

ここからは、日本の農業が解決すべき農業DXの課題について詳しく解説していきます。

農業DXの課題①デジタル化・技術活用が国全体及び農業分野で遅れている

日本は海外と比較すると、国全体のデジタル化が遅れています。

そこに加え、農業分野では生産や出荷に関する処理を、いまだ紙で行っていることがほとんどです。

ITになじみのない高齢の農業従事者が多かったり、“せり”など慣習を重視した現場が好まれたり、一概にデジタル化を推し進めることが難しいのが農業分野です。

また自動運転のロボット機械を導入するには、ある程度の規模の農場であることが必要となります。

段差の多い棚田や、でこぼこした畑地などは機械走行が難しく、なかなかデジタル化が進まない要因ともいわれています。

農業DXの課題②社会経済及び農業の活動が停滞している

コロナ禍による外出制限や自粛ムードにより、経済活動は停滞しました。

それ以降も急激な物価高などにより、消費者のニーズは冷え込んだままです。

外食や観光需要に恩恵を受けていた農業分野は、今後食生活の変容にあわせた対応を迫られています。

農業DXの課題③行政運営が非効率である

農業DXが進まない原因の一つに、行政運営の非効率が指摘されています。

農業DX構想を掲げる農林水産省自体のデジタル化が進んでいないのです。

例えば、各種給付金申請や支払いは、書面での提出が求められていたり、行政への申請は対面が前提であったり、アナログ対応から脱却ができていません。

ほかにも申請時に複数の窓口に行かなければならないなど、早急に行政のデジタル化を進める必要があります。

農業DXの課題④デジタルインフラの確保が必要である

リモートワークや遠隔診療など、都市部では通信インフラの整備が格段に進みました。

しかし農村地域のインフラ整備は不十分で、スマート農業を推し進めるには、さらなるインフラ整備が必要です。

とくに通信インフラや自動走行に向けた土地整備、位置情報取得のための基地局整備など、農業地域のインフラ整備を進めなければ、農業DXのさらなる推進は難しいでしょう。

課題解決に向けた農業DXを推進するポイントとは

課題が山積する農業DXですが、課題解決に向けたいくつかのポイントを抑えることが大切です。

農業DXを推し進めるにあたって意識すべき4つのポイントを紹介します。

農業DX推進ポイント①アジャイル手法

システム開発などで耳にする「アジャイル」は、農業DXにおいても有効です。

アジャイルとは「素早い」「機敏な」という意味で、ビジネスシーンでは「状況の変化に素早く対応すること」として用いられます。

農業DXでは、大きなプロジェクトをまず小さなステップに分け、優先度の高い小さな課題を解決し、それを繰り返すことで大きなプロジェクトを成功に導いていきます。

農業DXは市場の変化や技術進歩に柔軟に対応していく必要があるため、こうしたアジャイル手法が有効です。

農業DX推進ポイント②データの活用

農業では、いままでの作物育成データや気象データ、市場動向など多くの情報が蓄積されています。

これらの膨大なデータを収集・分析して活用すれば、生産性や効率性の向上が期待できるでしょう。

あらかじめ市場動向を読むことで、過剰生産や作物の供給不足を防ぐことも可能です。

農業DX推進ポイント③UI/UXへの理解

農業機械の自動化は、操作性が重要なポイントとなります。

誰でも直感的に操作できるUI/UXといったインターフェースは、今まで馴染みのなかった農業者がデジタルツールを受け入れるために効果的で、幅広い層に農業DXを浸透させるために有効な手段です。

農業DX推進ポイント④農業・食関連産業以外の分野とのパートナーシップ

DXの実現は、今までとは異なる改革の実現が重要です。

「農業 × テクノロジー」「農業 × 金融機関」など、農業や食料関連分野以外の業種との取り組みを進めていくことで、よりDXを加速していくことができるでしょう。

農業DXの課題解決とDX事例

では農業DXを導入したことでどのような課題が解決できたのか、実際のDX事例を紹介していきます。

農業DX事例①米の超低コスト生産を実現

広大な水田を管理するためには、人手が多くかかり、人件費がかさむといった課題を抱える農家は少なくありません。

しかしながら農業DXの導入で、全国平均の約半分という超低コストで、米の生産を実現させた農家もあります。

スマートフォンで遠隔操作ができる自動給水システム・稲の生育状況を可視化できる圃場管理システム・自動運転田植え機やトラクターなどのデジタル技術を活用し作業を効率化、結果として米の安定供給や生産コストの大幅削減を実現させました。

農業DX事例②水門の自動管理で、水稲の効率と生産性を向上

地方では農業者の高齢化によって手放した田んぼを、複数人で管理・作付け運用している例が多くあります。

こうした田んぼは離れた場所に点在していることも多く、水管理のために毎日何回も現地に足を運ぶことが負担となっています。

そこでスマート農業を導入し、水管理システムのデジタル化に着手、タイマー機能と水位センサーを組み合わせたスケジュール設定を可能にしたことで、現場に行かなくてもスマートフォンを利用していつでもどこからでも水門の管理を可能にしました。

また適切な水管理ができるようになったおかげで、雑草が生えにくくなり生産性の向上にもつながっています。

農業DX事例③消費者への直接販売を可能にする仕組みの導入

生産者から消費者へ、直接販売できる仕組みが広がっています。

食べチョク」は、生産者から直で消費者に届けるオンライン直売所です。

中間業者を介さない販売方法なので、「新鮮でおいしい食材が届く」「市場に出回らない希少価値のある食材が出品されている」など、消費者にとってもメリットが大きい産直販売です。

スーパーで売られている食材では、「作ったのは誰か」知ることは難しく、消費者の声を生産者に届けることができませんでした。

「食べチョク」には消費者が生産者と直接やりとりできるツールが搭載されており、消費者が「美味しかった!」とお礼を言うことも可能です。

また生産者にとっては、直接消費者と接して販売する機会を設けられているため、こだわりの農法でつくられた食材の魅力を伝えたり、おすすめのレシピを紹介したり、コミュニケーションをとりながら栽培や飼育に取り組む楽しみがあります。

農業DX事例④農家向けの経営分析サービスの開発

農業DXは、農家の労働環境にも大きな変化をもたらします。

例えばハウス内で栽培を行っている農家は、ハウス内の環境を保つために、一日に何回もハウスに足を運びます。

そこでハウス内を快適に保つ環境制御システムを導入、気温の上昇や湿度などに合わた自動潅水や天窓の開閉が可能になり、作業時間の大幅な短縮を実現しました。

短縮できた時間を、誘引や葉かき、出荷調整作業などほかの作業に充てることができるようになり、労働時間の改善、収穫量の増加や品質向上へつながっています。

農業DX化をご検討の方はMabuhayTechへ

高齢化が進む農業はDXを導入することによって、大きなメリットが期待できます。

例えばロボットや自動運転機械の導入で、少人数でも大規模な農場運営が可能になったり、AIによるデータ収集や解析により、収穫量を増やしたりすることが可能です。

こうした農業DXは、今後日本の安定した食料供給を支える力となるでしょう。

また流通や消費に関するDXが進めば、生産者と消費者が直接「顔」をみてコミュニケーションをとったり、鮮度が高くておいしい食材をスピーディーに食卓へ届けることも可能です。

MabuhayTechでは、農業DXを進めるためのシステム開発を請け負っています。

現在日本では、システム開発を進めるIT人材が不足しており、DX化を進めたくてもできないといったことが起きています。

MabuhayTechはオフショア開発国として人気のあるフィリピンに拠点を置き、現地の優秀なITエンジニアを雇用してシステム開発やIT人材派遣を行っている会社です。

農業は市場の変化へ柔軟に対応していくことが重要で、小さなDXから始めていくのに適しています。

どのようなことができるのか?何から始めればいいのか?そんな悩みを抱いている方は、まずはMabuhayTechにご相談ください。

一緒に農業の未来について考えていきましょう。

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物流DXとは?物流業界が抱える課題やDX事例を徹底解説

多くの問題を抱える物流業界では、現在DX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れた改革が進められています。

今回の記事では、「物流DXとは」「物流DXの現状と課題」「物流DXによって実現できること」などについて詳しく解説していきます。

実際に、物流DXを導入した企業の取り組みについても紹介していますので、物流業界のDX化に興味がある人は参考にしてみてください。

物流業界の課題と向き合う「物流DX」とは?

物流DXとは、機械化・デジタル化を通じて、物流のこれまでのあり方を変革することを指します。

物流業界は今、いくつもの深刻な課題を抱えています。

EC市場が拡大を続けるなか、物流の必要性は年々高まっており、課題解決のためにDXの推進が求められているのです。

国土交通省では特に、「物流分野の機械化」「物流のデジタル化」のふたつを物流DXの大きな目的として捉えています。

具体的には、トラックの隊列走行やドローン配送を取り入れたコストを抑制した自動化、伝票業務の電子化や配車管理のデジタル化などの業務の効率化があげられます。

物流業界で推進すべきDXの取り組みは、川上から川下までのオペレーション改善や働き方改革など、幅広く求められているのです。

物流DXの現状と課題

物流業界は、近年深刻な労働力不足となっています。

さらに新型コロナウイルスの感染拡大によるEC市場の急拡大もあり、宅配便の需要は右肩上がりです。

なぜ物流DXが急務となっているのか、それぞれの課題について解説していきます。

物流DXの現状と課題①トラックの積載効率の低下

EC市場の拡大による、個人宅への配送増加は、トラックの積載効率低下を招いています。

トラックには最大積載量が設定されていますが、最大積載量に対してどのくらいの荷物を運んだのかを算出したものが積載率です。

単純に、最大まで積めば100%、何も載せなければ0%となります。

ネット通販の普及により、小口の宅配貨物は1.5倍に増えました。

貨物数は増えているにもかかわらず、小口であるため積載効率は下がっており、2020年度の営業用トラックの積載率は、約38%にまで落ち込んでいます。

トラックの積載効率低下は、企業の利益減となるだけでなく、排気ガスの排出問題などにも影響を与えるため、なるべく最適化することが必要なのです。

物流DXの現状と課題②再配達による非効率化

個人宅への配送が増えたことで、再配達による業務効率の悪化が顕著になっています。

国土交通省のサンプル調査によると、2022年10月の宅配便再配達率は約11.8%、調査を開始した2017年の15.5%よりは減少しているものの、いまだ高い再配達率といえるでしょう。

CO2排出量の増加やドライバーの長時間労働など、再配達による非効率化は、物流業界の深刻な課題のひとつです。

物流DXの現状と課題③EC利用急増に伴う商品管理の複雑化

物流業界で急成長を遂げているEC物流は、数多くの課題を抱えていると言われています。

そのひとつが商品管理の複雑化です。

EC物流で扱うアイテムは数多く、倉庫内の管理スペースが細分化されます。

サイズやカラー展開が豊富なアイテムでは、ピッキング作業も難しくなり、手間やコスト増が深刻です。

また一般消費者向けのEC物流では、ひとつのミスが与える影響が大きくなってしまうといった課題もあります。

注文者に誤った商品が届いたり、あて先を間違えたことによる個人情報の流出などの問題も考えられ、より発送業務を慎重に進める必要があるのです。

物流DXの現状と課題④配送ドライバーなどの人手不足

物流業界では、配送ドライバーなどの人手不足に拍車がかかっています。

物流業界の労働時間は、全産業の平均労働時間より2割長く、年間賃金は全産業平均より1割~2割ほど低いのが現状です。

こうしたことから、ドライバーの職に就く若い世代の減少、現存しているドライバーの高年齢化が進んでいます。

また、働き方改革における時間外労働の問題、いわゆる「2024年問題」が与える影響は甚大です。

「2024年問題」とは、2024年4月から配送ドライバーの時間外労働の上限規制が設けられ、ドライバーの労働時間が短くなります。

今よりもっと人手不足が心配されており、「必要な時にモノが届かない」「宅配サービスの当日・翌日発送が難しくなる」「生鮮食材が手に入りにくくなる」など、今までの物流サービスが受けられなくなる可能性も指摘されています。

物流DXの現状と課題⑤燃料などのコスト高騰

近年、ガソリンなどの燃料価格が大幅に高騰しています。

燃料価格の高騰は、物流業界の経営悪化に直結します。

トラック運送業界では「燃料価格が1円上がると、業界全体で約150億円負担が増す」と言われており、近年における急激な燃料価格高騰は、かなり経営を圧迫しているのです。

物流DXによって実現できること

配送ドライバーなど人手不足、複雑な商品管理、非効率な再配達など、多くの課題が山積する物流業界ですが、DX化を実現することでどのような改善が期待できるのでしょうか。

具体的に解説していきます。

物流DXで実現①倉庫の空きスペース最適化

初めに、物流DXの導入によって倉庫管理の効率化が図れます。

今までは人の手によって在庫管理してきたものを、DXの導入によって一括管理が可能となり、空きスペースを最適化し、倉庫内の稼働率を上げることが可能です。

物流DXで実現②商品管理のデジタル化

商品管理のデジタル化は、入出庫作業や検品作業を短時間で行えるようになります。

バーコードやICタグによる在庫管理は、入力工数を減らすだけでなく、入力間違いなど人の手によるミスを減らすことにもつながります。

またDXで管理されたデータは、出荷時などにも活用が可能です。

自動認識技術「RFID」は、ICタグの情報を非接触で読み取り、集めたデータをクラウド上で管理・活用できるようになります。

物流DXで実現③業務の自動化

人手不足に悩む物流業界では、DX化することで業務を自動化することが可能です。

例えば、AGV(自動搬送ロボット)で倉庫内の商品移動することで、ピッキング業務の負担軽減を図れます。

ほかにも、従来は人の手によって配車業務を行っていましたが、受発注システムをクラウド上に構築し、配車業務を自動化することで、配車がスピーディーとなり、繁忙期のオーバーブッキング防止につなげられます。

物流DXで実現④顧客情報や配送情報のデータ化

顧客情報や配送情報のデータ化は、再配達削減に役立つデータです。

例えば、過去の配送履歴や顧客の不在情報をデータとして取り込めば、次回の配送時の再配達を避けるために役立てられます。

また発送時に顧客データを利用することで、誤発送防止につながり、第三者へ個人情報が洩れるのを防ぐことができます。

物流DXで実現⑤配送の効率化

物流DXは配送の効率化を図ることもできます。

多くの業界でAIやIoTなどデジタル技術が活用されていますが、物流業界でも利用可能です。

例えば、動態管理システムと配線管理システムを連携させることで、運送車両の現在地や配達状況を即座に確認することができ、管理者が速やかに配送ルートを指示することが可能になります。

またAIによるデータ分析を導入すれば、天候や工事・事故などによる道路情報に合わせた最適ルートを割り出し、効率よい配送につながります。

物流DXで実現⑥労働環境の改善

配送ドライバーや倉庫内作業員など、従業員の労働時間を可視化するシステムの導入は、労働環境の改善につなげられます。

システムの導入で、長時間労働や負荷が集中している従業員の把握などが可能になり、労働環境改善につなげることが可能です。

物流業界の課題解決・物流DXの事例

実際に物流DXを導入している企業を、事例を交えながら紹介していきます。

物流DX導入企業①株式会社日立物流

株式会社日立物流は、3PL(ロジスティクス機能を担う物流業務)を中心に成長を遂げている企業です。

顧客価値や社会価値につながる新しいビジネスモデルを、DXで創出しています。

具体的には、長時間労働や健康状態に問題のない場合でも起こり得る漫然運転を予防するシステム(「SSCV-Safety」)の開発・導入に取り組みました。

実際「SSCV-Safety」の導入により、漫然運転に起因する事故をゼロにし、重大な事故発生の一歩手前であるヒヤリハット件数も、94%減少という効果を上げています。

安全運転を徹底することで、エコドライブにつながり、燃費向上、車両整備費の削減など、コストダウンにもつながっています。

物流DX導入企業②日本郵船株式会社

日本郵船株式会社は、AIを用いて100隻を超える自動車専用の輸送船運航スケジュールを最適化し、安全で効率のよい船舶運航を実現させました。

具体的には、毎時の詳細な運航状況や燃費データを船上と陸上で共有し、最適な運航かつ省エネ運航に役立てています。

ほかにも船内作業における2,000ものチェック項目をデジタル化、タブレットに入力することで異常検知などを判断できるようにし、乗組員の負担軽減に努めています。

物流DX導入企業③SGホールディングス株式会社

SGホールディングス株式会社は、ベンチャー企業や異業種といったパートナーアライアンスと連携を図り、物流 × ITのシステム構築を行っています。

取り組みひとつ目は、宅配便では運べない大型荷物や特殊貨物の輸送など、荷物とドライバーをマッチングするTMSプラットフォームを構築し、あらゆる「運ぶ」の総合プロデュースを展開していくDXです。

次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」では、自動棚搬送ロボットやロボットストレージシステムを導入、約50%の省人化を実現し、人手不足解消といった課題解決につなげています。

ほかにも、伝票情報デジタル化とAIによる配送ルート最適化は、倉庫内業務の効率化だけでなく、新人ドライバーの負担軽減やドライバー不足の解消が期待される取り組みです。

物流DX導入企業④ヤマトホールディングス株式会社

宅配大手のヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングス株式会社は、DXを積極的に取り入れている企業です。

そのひとつが「ECエコシステムの確立」です。

ヤマト運輸はECサイトで商品を購入した際の個人宅配を多く取り扱っています。

そこで個人間取引の宅配サービス「EAZY」を導入し、購入者が受け取り方法を自由に選べるサービスを展開しています。

受け取り方法は「対面」のほか、「玄関前」「メーターボックス」「車庫」など置き配もあり、荷物が届く直前まで受け取り方法の変更が可能です。

利用者の受け取り要望に対応したDX化は、顧客満足度をアップさせるだけでなく、再配達などドライバーの負担軽減にもつながっています。

物流DX導入企業⑤日本通運株式会社

日本通運株式会社では、社内向け業務システムの開発・保守に着手し、手入力で行っていた業務日報の入力業務のデジタル化に成功しました。

従来、ドライバーの運転日報やアルバイトの勤務日報は、本人が紙に手書きで記入し、それを受け取った事務系社員がExcelに毎日手入力するといった作業が取られていました。

運転日報の受け取りが翌日になることも多く、月末〆作業では「間に合わない」「誤入力が増える」といったことが問題だったのです。

そこでAI-OCRによる自動読取を活用し、自分たちでデータ化する「DX Suite」を導入。

年間6万時間弱の事務作業を削減することができ、ヒューマンエラーによる入力ミスの低減、業務フローの見直しにつながりました。

物流DX化をご検討の方はMabuhayTechへ

MABUHAYTECH

多くの問題を抱える物流業界では、DX改革が急務となっています。

近年、EC市場は急成長しており、今後ますます物流の必要性は高まっていくことは確実です。

しかしながらドライバー不足、積載効率の低下、再配達による負担増など、目の前には課題が山積しています。

また、いわゆる「2024年問題」と言われる、配送ドライバー時間外労働の上限規制は、さらに事態を深刻化させていくと考えられています。

そこでDXを導入し、「倉庫の空きスペース最適化による倉庫稼働率のアップ」「商品管理のデジタル化」「業務の自動化」「配送の効率化」などを実現し、物流業界の課題解決や労働環境改善につなげていくことが求められているのです。

MabuhayTechでは、物流DXの取り組みサポートを行っています。

DXへの取り組みは、さまざまな業界で進められていますが、今の日本国内には圧倒的にデジタル人材が不足している現状です。

MabuhayTechは、オフショア開発国として成長著しいフィリピンに拠点を構える会社です。

フィリピンでは国を挙げてデジタル人材育成に取り組んでおり、優秀なITエンジニアがたくさんいます。

フィリピンの優秀なITエンジニアと日本企業を結び付け、日本でのDX推進を後押しするのが我々MabuhayTechの役目です。

2024年問題を抱える物流業界は、DX化が待ったなしの状況です。

今後、企業が生き残っていくためにも、ぜひ一度DXについてご相談ください。

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インフラDXとは?課題やDX事例、政府が掲げるアクションプランを徹底解説

様々な業界で、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が進められています。

デジタル技術を導入し、私たちの暮らしをより良いものへと変えていくDXの取り組みは、人材不足やインフラ設備の老朽化など、多くの課題を抱える建設業界では急務だと言われています。

今回の記事では、「インフラDXとは」「インフラDXにおける3つのアクションプラン」などについて詳しく解説していきます。

実際に導入されたDX事例も併せて紹介していきますので、インフラDXを検討されている方はぜひ参考にしてください。

インフラDX事例紹介の前に。インフラDXとは?

インフラDXとは、デジタル技術を活用し、社会資本や公共サービス、つまり私たちの暮らしをより良いものへ変革することを指しています。

従来、インフラというと、鉄道や道路、電気・ガス・水道、公共施設など、私たちの暮らしに欠かせない設備を建設・維持していくことを指してきました。

これらの作業は、長年多くの人の手により支えられてきましたが、人口減少による労働力不足が問題となっている日本では、建設業界で働く人たちの人材確保が難しくなっています。

そこで注目されているのがインフラDXです。

建設業界とデジタル化は一見関係がないように見えますが、インフラ事業でIoTやAIを活用できることは意外に多くあります。

例えば、高度成長期に建設されたインフラ設備は老朽化が進み、速やかに老朽箇所を診断して修理しなければなりません。

人が入ることが難しい場所へも、ドローンを使えば撮影・データの収集が可能です。

大規模な公共設備の施工現場では、施工を請け負うゼネコンだけでなく、多くの協力業者によって作業が進められています。

こうした現場で、タブレットやウェアラブルカメラを活用すれば、現場管理や作業の効率化を図ることが可能です。

国土交通省では、2022年に「インフラ分野のDXアクションプラン」を策定し、インフラDXの推進を掲げています。

労働力不足だけでなく、近年甚大化・頻発する自然災害等への速やかな対応が期待できるインフラDXは、私たちの生活や経済活動を支えるために必要不可欠なのです。

インフラDXの事例に向けた3つのアクションプラン

国土交通省では、インフラDXにおいて3つの柱を掲げています。

  • 「行動」・・・対面主義にとらわれない働き方
  • 「経験・知識」・・・AI活用で熟練技能を継承
  • 「モノ」・・・BIM/CIMの導入による建設生産プロセスの変革

さらに、これら3本柱を推し進める具体的なプランとして、2022年3月に3つのアクションプランを策定しました。アクションプランとは、デジタル技術を活用してインフラ周りをスマートにする取り組みです。

では具体的な施策をみていきましょう。

インフラDXアクションプラン①行政手続きのデジタル化

インフラDXのアクションプラン一つ目は、「行政手続きのデジタル化」です。今まで公共工事を行うための行政手続きは、紙ベースかつ対面で行われてきました。

例えば、特殊車両を使用するための「特殊車両通行許可」を窓口で申請すると、申請から許可が下りるまで約1か月かかります。しかも経路設定は、申請者が出発地から目的地まで片道ごとに、細かく指定しなければなりません。

しかしながら、行政手続きをデジタル化することで、インフラ関連の各種手続きの多くがオンラインで完結できるようになりました。

「特殊車両通行許可制度」は「特殊車両通行確認制度」へと変わり、審査期間は即時と大幅な短縮が実現、経路は自動的に複数経路(往復)が検索可能になるなど、”行政手続きは面倒で時間がかかる”といった不満の解消に役立っています。

インフラDXアクションプラン②情報の高度化およびその活用

インフラDXアクションプラン二つ目は、「情報の高度化およびその活用」です。

具体的には、BIMやCIMといった3次元データを積極的に活用し、受発注者だけでなく、現場で働く関係者や地域住民など、幅広い関係者間での情報共有が実現可能になりました。

こうした高度なデジタルデータやタブレット等のモバイル端末は、様々な方向でのコミュニケーションを活性化し、地域住民へインフラ工事の理解協力を求めたり、現場で働く作業員の安全性を高めたりするのに役立っています。

また3次元データやIoTを活用した画像データは、災害時の避難行動や被害状況の確認など、緊急時の速やかな対応にも利用可能です。

インフラDXアクションプラン③現場作業の遠隔化・自動化・自律化

インフラDXは現場作業においても有効です。

建設業界で最も深刻な課題は労働力不足ですが、デジタル化によって現場作業の遠隔化・自動化・自立化が進むことで、こうした問題の改善が期待されます。

例えば、情報通信技術を取り入れたICT建機の導入です。

今まで難しい現場作業では、経験を積んだオペレータによる重機の操作が不可欠でしたが、ICT建機は、位置検測装置であらかじめ入手したデータをもとにして、操作ガイダンスを自動で行います。

そのため、経験の少ない若手オペレータであっても、難しい現場をこなすことが可能になります。

建機の遠隔化も、作業効率アップが期待されるDX化です。

施工現場にある遠隔操作対応の建機を、離れたオフィスにあるコックピットから遠隔操作して作業を進めます。

オペレータの現場間移動がなくなり、業務効率化につながります。

このようにインフラDXは、現場の属人化解消へ大きな期待がされているのです。

インフラDXの事例

ではインフラDXにおいて、実際に導入されている事例はどのようなものなのでしょうか。

私たちの身近なインフラDXの取り組みを、わかりやすく紹介していきます。

インフラDX事例①清水・五洋特定建設工事共同企業体

清水・五洋特定建設工事共同企業体は、東京国際空港内のトンネル工事にてAIシステムを導入しました。

シールド工事は通常、既存している構造物を避けて作業するため複雑化しやすく、工事に多くの労力を費やしてきました。

現場で人の手によって測量された値を手作業で入力し、それをもとに作成した指示書を紙ベースで配布、現地の作業員による目視によって操作盤に入力し、シールド機操作を行うなど、手作業・手入力が多いシールド工事では、膨大な労力と人為的ミスの発生が課題となっていました。

そこで導入したのが、様々な掘進データとオペレータの操作判断を学習するシステム「施工計画支援AI」と、オペレータの操作ルールをモデル化した「掘進操作支援AI」を組み合わせたものです。

これにより、施工管理を効率化するとともに、高い精度の確保実現を成功させました。

インフラDX事例②中電技術コンサルタント

中電技術コンサルタント株式会社は、天然ダムや砂防関係施設の調査や点検においてUAV(ドローン)を活用しています。

山間部にあるダムなどで大規模な土砂災害が起きると、何日間も現場に人が入れず、状況把握に時間がかかっていました。

こうした現場でUAVを使うことで、危険な災害現場に人が立ち入ることなく迅速に状況を把握することができ、その後の復旧作業や避難指示に大きく役立つことが実証されました。

山間部など通信電波が不安定な場所では、撮影用UAVと中継用UAVの2機体を同時飛行させることで、電波中継遮断の課題も解決しています。

私たちに身近なドローンも、インフラDXを力強く支える存在です。

インフラDX事例③金杉建設株式会社

金杉建設株式会社は、小規模なインフラ工事へDXを導入し高い評価を受けました。

埼玉県が発注した橋の架け替え工事に伴う迂回路の整備工事では、もともと慢性的に渋滞が発生する区間であったため、近隣の住民負荷を最小限に抑える必要がありました。

そこでICT重機を活用し、作業を効率的かつスピーディーに行えるようにしたのです。

通常の重機では、掘削や盛り土の際には地面に印をつけます。印といっても簡単なものではなく、「丁張」といって杭を打ったり木枠を設置したりする手間のかかる作業です。

若手の作業員が2~3人がかりでやることが多く、人手不足の現場では時間も手間も掛かってしまいます。

さらに掘削中に重機と接触して丁張がズレてしまい、やり直すことも少なくありません。

ICT重機では、あらかじめ測定しておいた3Dデータを入力しておくと、システムが機械の操作補助をしてくれ、どの場所をどのくらい掘ればいいのか教えてくれます。

丁張による印の必要はなく、設計データよりも深く溝を掘ろうとした場合には、マシンが自動的に止まって掘り過ぎを防いでくれるのです。

金杉建設の取り組みは、「インフラDXは大規模工事で活用するもの」という概念を打ち崩し、小規模工事でも活用が可能であるという実例をほかに示した形となりました。

インフラDX事例④竹中工務店・ドコモ

竹中工務店とNTTドコモは、自動車移動の効率化を目的とした「建設MaaSオンデマンド移動&搬送」の実証実験を開始しています。インフラ工事の建設現場では、ヒトやモノの動きが活発です。

例えば、現場の管理を任せられている人が、複数の現場を行き来したり、事業所と現場を往復するのは当たり前、作業中に資材が不足して事務所の保管倉庫に取りに戻る、ということも珍しくありません。

竹中工務店は、建設中の交通・物流・サービスに関わる課題を解決するために、ドコモが開発した「AI運行バス」の仕組みを応用し、貨客混載輸送のオンデマンドサービス開発に取り組んでいます。

竹中工務店が実現したいのは、私たちの暮らしをスマートにするインフラDX。その取り掛かりとして、ヒトとモノを好きなタイミングで同時に輸送するサービスの実証実験を実施したのです。

人が移動したいときは、スマホで乗車予約をして車両を利用、車両は乗り合いで乗車・降車ポイントをあらかじめ登録しておきます。

車内はPC作業ができるようモバイルデスク完備となっており、移動時間を無駄にすることなく仕事を続けることが可能です。途中のポイントでは、人だけでなくお弁当や建築資材の搬入・配達なども可能で、効率よく貨客混載輸送ができるよう工夫がされています。

こうしたインフラDXにおけるMaaSの取り組みは、海外ですでに実装されている国もあり、交通渋滞緩和・排ガス排出削減・人や資材の到着遅延防止・スムーズな乗継や乗換など、インフラ工事が抱える課題の解決に役立つことが期待されています。

また「建設MaaSオンデマンド移動&搬送」は、建設現場だけでなく、完成後の「まちDX」へ展開することを予想しているものです。

既存のプラットフォームを「まちの暮らし」へと活用し、より暮らしやすいまちづくりへと活かすこの取り組みは、業界を超えたおもしろいDX事例といえるのではないでしょうか。

インフラDX化をご検討の方はMabuhayTechへ

MABUHAYTECH

デジタル技術を活用し、私たちの暮らしをより良いものへ変革する、インフラDXの取り組みが始まっています。

インフラ工事では多くの労働力が必要とされますが、人口が減少している日本では建設現場の人手が足りていません。

そこでIoTやAIなどのデジタル技術を活用し、老朽化したインフラ設備の点検・診断を行ったり、人の立ち入りが難しい場所へドローンを投入して撮影・データ収集を行ったりするインフラDXが注目されているのです。

国土交通省でも「インフラ分野のDXアクションプラン」を策定、①行政手続きのデジタル化②情報の高度化およびその活用③現場作業の遠隔化・自動化・自律化、といったインフラDXの推進を掲げています。

実際に、東京国際空港内のトンネル工事や天然ダムや砂防関係施設の調査や点検などで、AIやドローンなどが活躍し、ヒトとモノが同時に移動できる配車サービスなどの実証実験も行われており、インフラDXは私たちの身近な取り組みとなっています。

インフラDXに欠かせないのがエンジニアです。

しかし必要とされる人材は、その目的によっても異なります。

例えば既存の技術をベースに、新しい技術を加えてインフラの構築・運用する場合は、ゴールの決まった開発を得意とする「インフラ系エンジニア」が必要とされます。

一方、全く新しい技術をベースにDXを進める場合には、アジャイル型の開発を得意とする「DX系エンジニア」と一緒に、まずは解決すべき課題の設定から始めるべきです。

このようにインフラDXとは、どのような目的でDX化を進めるのかによって、エンジニア選びが変わってくるのです。

MabuhayTechは、豊富なIT人材を提供できるフィリピンに拠点を置き、ITエンジニアの派遣を行っている会社です。

フィリピンは国を挙げてIT人材の育成に取り組んでおり、優秀なITエンジニアがたくさんいます。

MabuhayTechでは、DXに取り組む日本の企業に、様々なエンジニアを提供しています。

「DXに興味があるけれど、どのようなことから取り組めばいいのかわからない」「システム開発を考えているが、日本でなかなかエンジニアが見つからない」といった悩みを抱えている方は、一度MabuhayTechにご相談ください。

DXは企業だけでなく、私たちの暮らしをより良いものへ変えていく希望です。どのようなことができるのか、MabuhayTechと一緒に考えていきましょう。

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TOP > メディア > オフショア開発が抱える課題とは?課題の解決策や失敗しないためのコツを解説

オフショア開発が抱える課題とは?課題の解決策や失敗しないためのコツを解説

コスト削減や人材の確保など、魅力的な要素を多く含むオフショア開発が今、注目されています。

しかしながら、実際に導入しようとするには、いろいろ不安を感じるところもあるのではないでしょうか。

そこで今回は、オフショア開発が抱える課題について、5つの問題点4つの解決策を詳しく解説していきます。

世界中で急成長を遂げるIT分野で、オフショア開発はグローバルスタンダードになりつつあります。

オフショア開発を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

オフショア開発が抱える課題とは

オフショア開発には、直視すべき課題があります。

オフショア開発が抱える課題①「言語・コミュニケーションの問題が生じやすい」

まずは言語の問題です。

当たり前のことですが、開発を委託する国の母国語は、日本語ではありません。

実際には日本語を全く理解できない現地スタッフもおり、多くのケースではもっともポピュラーな英語を使ってコミュニケーションを図っています。

ただし日常会話レベルで問題ない英語力があっても、母国語でないコミュニケーション、さらに専門用語が飛び交うシステム開発では、こちらの指示が上手く伝えられないことも少なくありません。

ほかにも、日本人同士なら伝わる曖昧な表現が、海外では全く通用しないことも問題です。

「言わなくてもわかる」ことはありませんし、「上手くやっておいて」は、自分たちの好きなように勝手に作業するといった意味に置き換わります。

オフショア開発において、コミュニケーションの問題は重要です。できる限りの対策を打っておきましょう。

オフショア開発が抱える課題②「ビジネスにおける習慣・文化の相違が影響を及ぼす」

オフショア開発では、言語の違いによる問題だけでなく、文化の違いによる課題も仕事に大きな影響を及ぼします。

日本では当たり前のように行われていることが、海外では常識とはいえないのです。

例えば中国では、支払いの遅延が商習慣として定着しています。

これは支払い能力の問題だけでなく、取引先と円滑な関係を築きつつ、どれくらい支払いを遅らせることができるか、というのが経理担当者の実力だと言われているからです。

ベトナムでは残業をほとんどしません。

企業側には時間外労働には50%〜300%の手当を支払うことが義務付けられていますし、旧暦に基づいた年間行事を優先するため、スケジュール管理には注意が必要です。

フィリピンでよく耳にするのは、時間にルーズだという国民性です。

そのため日本側が何か質問をしたとしても、レスポンスが遅いのは仕方がないと思っていた方がいいでしょう。また降格人事は法律で禁止されています。チームをまとめる役職の人選は、慎重に行うのが鉄則です。

国民性は、その国に長く定着している習慣です。

日本文化との差異が大きくても、こちらの文化を押し付けることはNGです。

習慣や文化を日本式に変えるという行為は、相手との関係性を拗らせる原因となります。

商習慣・文化の相違は、ビジネスにおいても重要な要素なのです。

オフショア開発が抱える課題③「要件・仕様を統一させるのが難しい」

言葉の問題に端を発しますが、オフショア開発では要件や仕様の統一が課題となります。

母国語の異なる国通しで作業する場合、基本的には英語でやり取りすることが多いでしょう。

お互い、母国語同様に英語を操れれば問題ないのですが、そうでない場合はやり取りの際に認識にずれが生じやすくなります。

そんな認識の“ずれ”は、仕様のばらつきにも影響します。

仕様が統一されていないと、結果として、オフショア開発が失敗に終わる可能性も否定できません。

オフショア開発が抱える課題④「開発がブラックボックス化する」

オフショア開発では、開発自体がブラックボックス化することが、しばしば問題となります。

これは日本と海外といった物理的な距離により、テレワークで作業を進めるのが基本となるからです。

同じ社内、もしくは日本国内であれば、「今どんな状況?」と気軽に確認することも可能でしょう。

しかしながらオフショア開発では、正確な進捗状況を把握しづらく、開発先からの報告を信用することが前提となります。

オフショア開発ではリスクや進捗の管理が不透明になり、開発自体がブラックボックス化してしまう課題が起こりやすいのです。

オフショア開発が抱える課題⑤「人材が定着しない」

日本ではIT人材の確保が大きな問題となっています。

その解決策がオフショア開発なのですが、その一方で開発国におけるエンジニアの定着率が課題でもあるのです。

近年、開発国として人気となっているベトナムやフィリピンは、転職への抵抗意識が薄いとされています。

つまり条件がいい企業やスキルアップのために転職するエンジニアが多く、前回のエンジニアに再度依頼したいと思っても、すでに退社していたというのはよくある話なのです。

長期的に同じメンバーで開発依頼をしたい場合、オフショア開発の人材定着率というのは課題の一つと言えるでしょう。

オフショア開発における課題の解決策

ここまでオフショア開発における5つの問題点について解説しました。

ここからは問題点についての具体的な4つの解決策について解説していきます。

オフショア開発における課題の解決策①「オフショア開発先の文化を尊重し理解する姿勢を持つ」

まずひとつめは、日本と開発国の文化の違いを理解することです。

例えば、日本の電車運行は1分という正確さを求められます。しかしこれは日本特有であり、世界中の人々が驚くことでもあります。

この背景にあるのは、日本人の時間感覚がもとになっていると考えられますが、海外では時間のとらえ方が全く異なります。

ときにはその感覚を「ルーズ」に感じ、納期遅れにイライラするケースも考えられます。

ただしこれは文化の違いであり、相手を責めるべきではありません。

納期遅れを防ぐため、時間に余裕を持ったスケジュールを組んだり、進捗をこまめに行うルール作りをしたり、文化や習慣を尊重しながら働きやすい環境を整える対策をしていきましょう。

オフショア開発における課題の解決策②「高頻度かつ精度の高いコミュニケーションをとる」

オフショア開発でのコミュニケーションの取り方は、かなり重要なポイントです。

日本語でのやり取りが難しいオフショア開発では、とにかく高い頻度でコミュニケーションをとることが重要です。

その際、なるべくお互いの意見交換がしやすい方法を選択することが大切です。

幸いにもITソリューションは日々進化しています。

従来からあるメールや国際電話だけでなく、共有したいファイルを残せるストックツール、ビデオ通話機能があるチャットツールなどを活用し、高頻度かつ高精度のコミュニケーションを意識しましょう。

オフショア開発における課題の解決策③「ブリッジSEの能力を確認し、懸念点や要件をしっかり共有する」

オフショア開発において、ブリッジSEの存在は重要です。

プログラミングスキルや日本語が話せるSEを置くことは大前提ですが、それ以外の能力も大切なポイントになります。

ブリッジSEは、日本企業とオフショア開発先の間に入って、お互いの意見交換をサポートしたり、プロジェクト全体の管理を行ったりする重要なキーパーソンです。

コミュニケーション能力やマネジメントスキルなどが求められるブリッジSEですから、選ぶ際には面談などで、きちんと能力を把握しておきましょう。

オフショア開発における課題の解決策④「進捗をしっかり管理する」

コミュニケーション手段を確保したら、プロジェクトの進捗状況はこまめに確認すべきです。

日本企業で取り入れられている日報は、スケジュールの遅延や問題把握に非常に有効で、迅速な対策をとることが可能です。

オフショア開発でも進捗状況をしっかり管理することで、納期の遅れや品質低下といった問題を回避できるようになります。

課題を作らないためのオフショア開発のコツ

オフショア開発が始まってから問題を解決するのは、いろいろと難しいことも多いでしょう。

そこで課題を作らないためのコツを3つ紹介したいと思います。

課題を作らないためのオフショア開発のコツ①「案件や目的に合う委託国に依頼をする」

オフショア開発導入の際には、依頼国の選択が重要になります。

「どのような案件なのか」「目的は何なのか」によっても依頼国は変わってきます。

なぜならオフショア開発国といっても、国によって習慣や言語、得意分野が違うからです。

オフショア開発の歴史が長い国では、経験値を積んでいる分、難しい案件を任せられる一面があります。

逆に実績が浅い国では、開発コストを低く抑えられるメリットが生まれます。

またモバイル普及率が高い開発国では、モバイル関係の開発に強いです。

このように案件や目的にあった開発依頼国を選ぶことは、オフショア開発での課題を作らない第一歩になります。

課題を作らないためのオフショア開発のコツ②「開発内容に適した契約方法を選ぶ」

契約方法の選択も重要です。

オフショア開発の契約方法には、大きく分けて2つの型があります。

「請負契約」と「ラボ契約」ですが、それぞれ特性が異なるため、依頼したい案件にあった契約方法を選ぶことが大切です。

請負契約は、成果物ごとに契約を結ぶ方法です。

完成したシステムの納品を約束しているため、品質が保たれた成果物を納品してもらえる可能性が高くなります。

単発案件向きの契約方法で、長期的な開発や仕様変更が多いシステム開発には向きません。

ラボ契約は、一定期間継続してエンジニアと契約する方法です。

期間内はエンジニアのリソースが確保できており、複数のプロジェクトにアサインすることも可能になります。

また追加修正や仕様変更にも対応できるため、長期間にわたる開発や、複雑な案件向きといえるでしょう。

請負契約とラボ契約では特徴が全く異なり、向き不向きがあります。

案件にあわない契約方法を結ぶと、結果としてコストがかさんでしまったり、低品質な成果物が納品されたりするリスクが生じますので、契約方法は慎重に選択しましょう。

課題を作らないためのオフショア開発のコツ③「連絡や進捗状況の取り方を事前に決める」

オフショア開発において、コミュニケーションの大切さは本当に重要です。

一度開発が始まってしまうと、思ったように時間をとれない可能性があります。

実際の連絡方法は後から決めればいいと思っていても、日本と海外という物理的な距離があると、お互いの意見を交換することが難しいこともあるでしょう。

連絡を取り合う方法やツールは、オフショア開発を始める前に決めておくことが大切です。

本格的な開発段階に入る前の初期段階は、時間的余裕もあり、連絡方法や進捗状況のタイミングなどに関する決め事も相談しやすいものです。

開発を下支えする仕組みがしっかりしていると、メインの開発もうまくいきやすくなるでしょう。

オフショア開発のご相談はMabuhayTechへ

コスト削減や人材の確保など、メリットに目が行きがちなオフショア開発ですが、さまざまな課題も抱えています。

言語やコミュニケーションの問題、ビジネス上の習慣や文化の違い、開発のブラックボックス化など、抱えている問題は多岐にわたります。

ただし相手国の文化を尊重して理解したり、コミュニケーション手段をきちんと決めたりすることで、こうした課題をひとつずつ解決していくことが可能です。

また日本企業と開発先の間に入る、ブリッジSEの存在はとても重要です。能力の高いブリッジSEは、オフショア開発のキーパーソンになります。

MabuhayTechは、フィリピンに拠点を置くオフショア開発企業です。

フィリピンは現在急成長を遂げる国家で、その中心となる働き手は20代、この先も右肩上がりで成長を続けるとみられています。

公用語が英語であり、ホスピタリティにあふれる国民性は、オフショア開発国としても人気が上がってきています。

MabuhayTechが考えるオフショア開発は、クライアントである日本企業の希望を叶えるだけではありません。

フィリピンのエンジニアやスタッフ、そしてその家族、取引先の三方が明るい未来を築いていけるオフショア開発を目指しています。

オフショア開発は、大企業だけが選択できる開発方法ではありません。

MabuhayTechではビジネスの業界や規模に関わらず、開発サービスを提供しています。また、ラボ型開発チームに必要なIT人材派遣サービスも行っています。

AIやマッチングアプリ、ゲーム開発など、開発内容は幅広いものです。

オフショア開発の導入を検討している方、海外に委託することに不安を抱えている方、ぜひ一度MabuhayTechにご相談ください。

一緒に明るい未来を考えていきましょう!

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