どれだけAI技術が進化しようとも、クリエイティブな分野はAIに置き換えることができない、というのが通説でした。
しかし最近では、広告クリエイティブにおいてAIを活用する動きが高まっています。
今回の記事では、「広告クリエイティブとは?」「広告クリエイティブに活用できる生成AI」「AIの広告クリエイティブで実現できること」などについて、詳しく解説していきます。
併せて広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツールを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
広告クリエイティブとは
最近耳にする「広告クリエイティブ」、特にインターネット広告が普及してからはよく聞くようになりました。
クリエイティブとは、もともと「独創的」「創造的」といった意味を持つ形容詞ですが、広告業界ではCM動画やチラシ、ポスターなどの製作物を指すのが一般的です。
広告の主体がオフラインからオンラインへと移り変わり、クリエイティブが表すものも、バナー画像、動画、テキスト文などへ変化しています。
広告クリエイティブの質がいいと、商品やサービスへの効果が期待できるとされていますが、インターネット広告ではさらに「One to One」アプローチが重要なポイントになります。
従来の不特定多数の人に向けたマス向け広告ではなく、「One to One」の広告は、一人ひとりの嗜好やペルソナにあわせていくことが大切で、そのために膨大な作業が必要となることでしょう。
だからこそ、AIを活用したクリエイティブ制作に注目が集まっているのです。
広告クリエイティブに活用できる生成AI
AIは大量にあるデータ処理をするのが得意です。
具体的に、広告クリエイティブに活用できる生成AIとはどのようなものがあるのでしょうか。
広告クリエイティブに活用できる生成AI①テキスト生成AI
まずはテキスト生成AIです。
最近話題のChatGPTに代表されるテキスト生成AIは、「どのような文章にしたいのか」「雰囲気や文字数」などを指示すると自動でテキストを作成してくれます。
例えば30代男性に向けた広告では、機能の充実や分割払いにも対応しているなどを訴求したテキスト作成を促したり、高齢者に向けては、シンプルな使いやすさや孫とのコミュニケーションなどをアピールしたり、ターゲットに合わせたテキスト作成が可能です。
メッセージ性の強い短文から、コラムのような長文まで生成可能なので、クリエイティブ作業の効率化に有効です。
広告クリエイティブに活用できる生成AI②画像生成AI
広告で最もインパクトを与えると言っても過言ではない「画像」の生成も、AIを活用することができます。
それが画像生成AIです。
「夏休みのリゾートキャンペーンに使用する画像を作りたい」と文章で指示すると、夏の青空と海の入った画像などが出来上がります。
リゾート地を細かく指定すれば、より希望に沿った画像を作り出すことができますし、明るさやテイストの調整は後からでも可能です。
広告クリエイティブに活用できる生成AI③動画生成AI
インターネット広告は紙媒体とは異なり、動画が起用できます。
動画生成AIは、画像生成AIのようにテキストから動画の生成や編集ができる生成AIです。
例えば先に商品の紹介文章が出来上がっており、それをもとに動画広告を作りたい場合は、記事のテキストを利用して動画を作ることができます。
広告クリエイティブに活用できる生成AI④音声生成AI
スマートフォンの普及により、外出先で広告バナーを開く機会が増えました。
耳から入ってくる情報を好む人も多く、音声付きの商品紹介広告の価値が上がっています。
音声生成AIは、テキストを読み上げて音声にしてくれる生成AIですが、イントネーションなどを調節し、より人に近い読み上げが可能になっています。
広告クリエティブに活用できる生成AI⑤音楽生成AI
従来、広告につける音楽は人に頼んで作曲してもらうのが一般的でした。
音楽生成AIの登場で、作りたい曲のイメージや雰囲気を指示することで、自動で音楽生成が可能になりました。
AIが作曲した音楽は、著作権法の範疇には含まれない(2023年現在)のも魅力の一つと言えるでしょう。
広告クリエイティブに活用できる生成AI⑥コード生成AI
インターネット広告を作るためには、プログラミング言語、つまりコード生成が必要になります。
コード生成AIは1からコードを生成することも可能ですが、人が作成したプログラミングのコードエラー検出や修正などに利用することもできます。
コードエラーの不具合を早期に発見し修正することで、クリエイティブ作業のスピード化を図ることが可能です。
AIの広告クリエイティブで実現できること
広告を制作するうえで生成AIを活用すると、様々なことが実現可能になります。
具体的な2つのポイントを紹介していきます。
AIの広告クリエイティブで実現できること①制作時間の短縮やコストの削減
まずは制作時間の短縮やコストの削減です。
マス向け広告では不特定多数の人に向けたひとつの広告を、時間をかけて作成していましたが、「One to One」アプローチのインターネット広告では、短時間に多くのバナー広告を作成しなければなりません。
クリエイターが一つ一つ手作業でバナー広告を作り出すには、時間がかかり過ぎてしまいますが、生成AIを活用した広告クリエイティブであれば、かなりの時間やコストを削減できます。
すべての作業をAIに任せるのではなく、クリエイターの作業補助としてツールを使用するのもひとつの案でしょう。
AIの広告クリエイティブで実現できること②より効果的なクリエイティブの作成
生成AIが作成するクリエイティブは、高いマーケティング効果が期待できます。
すでに配信されている広告と、生成AIが作成した広告の効果予測値を比較し、予測値を上回ったクリエイティブだけを納品するといったことも行われています。
Googleで可能なAIによる広告クリエイティブの自動生成
Google広告
世界的に知名度が高いGoogleでは、「Google広告」を公表しています。
あらかじめ「広告文」「見出し」「画像」などのアセットを登録しておくと、いろいろなクリエイティブを自動で作成してくれる便利なツールです。
初期費用がいらず、消費者がクリックしたときにのみ料金が発生する仕組みのため、低価格で広告の出稿が可能です。
またPDCAを回すための数値を管理画面から確認できるので、広告の効果測定がしやすいというメリットもあります。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール
ここからは、広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツールをいくつか紹介していきます。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール①Adobe Sensei
「Adobe Sensei」は、Adobeが持つ過去の膨大なトランザクションデータをもとにクリエイティブを作成します。
大体のレイアウト文章、写真をアセットとして学習させると、次々にクリエイティブを作り出してくれます。
AdobeのAI(人工知能)とマシンラーニング(機械学習)技術を活用しているため、実用的なデザインの作成も可能です。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール②ADVANCED CREATIVE MAKER
「ADVANCED CREATIVE MAKER」は電通デジタルが提供しているバナー広告生成ツールです。
1枚のバナー広告を1秒以内で生成し、1,000枚以上のバナー広告の候補の中から10~20案を利用することが想定されたツールになります。
「早い」「大量」といったスピード重視のツールは、クリエイターの負担を減らすのに有効でしょう。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール③極予測AI
サイバーエージェントが開発した「極予測AI」は、広告クリエイティブツールとしては珍しい成功報酬型のAI生成ツールです。
大量にクリエイティブを生成するのが目的ではなく、今流れている広告クリエイティブよりも高い効果が得られる(と予測される)クリエイティブのみを生成するため、非常に質の高いクリエイティブを作ることができます。
クリエイティブは静止画・動画両方に対応しており、広告の効果が得られたときのみに報酬が発生する仕組みです。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール④Midjourney
「Midjourney」は、気軽に生成AIを試してみたい人におすすめのツールです。
テキストプロンプトのみでイラストが生成でき、あらかじめ素材を準備しなくてもイラスト入りの広告バナーが作れます。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール⑤クリエイティブAI
「クリエイティブAI」は、感性AI株式会社が開発したサービスです。
消費者データを活用した「キャッチコピー」「パッケージデザイン」「ネーミングのブレスト生成」などができます。
分析ツールも提供されており、マーケティング効果に活かすことも可能です。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール⑥Adnator
「Adnator」は“勝ちバナー”をモットーに、最短3分で広告バナーをクリエイティブ出来るツールです。
ChatGPTを利用したキャッチコピー作成機能も搭載されており、誰でも無料で利用ができます。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール⑦ラディウス・ファイブ「cre8tiveAI」
「cre8tiveAI」は、イラストや動画の生成に特化した生成AIツールです。
直感的な操作で編集ができ、1,000枚までなら無料のエントリープランで利用可能です。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール⑧Amper Music
「Amper Music」は、AIが自動で作曲をしてくれるAIソフトです。
作曲したいジャンルを選び、雰囲気や長さなどのプロンプトを入力するだけでAIが楽曲をしてくれます。
生成された楽曲はフリーで使用可能です。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール⑨Canva
「Canva」は、テキスト入力でビデオが作成できる動画生成AIツールです。
アバターを使った動画生成が可能で、自身を撮影しなくてもビデオ作成ができます。
エフェクトやステッカーが準備されているため、編集ツールを別途用意する必要はありません。
広告クリエイティブに役立つ自動生成AIツール⑩ソウルドアウト株式会社「H-AI TD GENERATOR」
「H-AI TD GENERATOR」は、検索型広告クリエイティブに特化したAIツールです。
LP(ランディングページ)のURLとキーワードを入力するだけで、広告の見出し文と説明文を自動で生成してくれます。
広告の訴求軸を設定できるので、よりターゲットを意識したクリエイティブが可能です。
AIによる広告クリエイティブに興味関心のある方はMabuhayTechへ
「広告はクリエイターが作る」という時代は変わりつつあります。
インターネットの普及と生成AIの技術進化により、広告クリエイティブにおいてAIを活用する動きが高まっているのです。
広告クリエイティブに使用できる生成AIは、「テキスト生成AI」「画像生成AI」「動画生成AI」「音声生成AI」「音楽生成AI」「コード生成AI」など多岐にわたります。
もちろん1から広告クリエイティブを作り出すことも可能ですが、クリエイターの負担を減らし、よりクオリティの高い広告クリエイティブを作り出す補助ツールとして利用するのもいいでしょう。
不特定多数の人に向けた、マス向け広告の時代は終わりを告げています。
これからは一人ひとりをターゲットにした「One to One」アプローチが重要であり、そのために生成AIツールを効果的に利用することが求められているのです。
MabuhayTechでは、生成AIツールを利用した広告クリエイティブのサポートを行っています。
いろいろな生成AIツールが提供されており、以前に比べると広告クリエイティブの生成は簡単になってきています。
しかしながらツールを扱える人材がいなければ、生成AIの恩恵に与ることは難しいでしょう。
「AIによる広告クリエイティブに興味がある」「広告クリエイティブのコストを減らしたい」という人は、ぜひMabuhayTechにご相談ください。
何が最適なのか、どういったクリエイティブが可能か一緒に考えていきましょう。
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