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医療DXとは?メリット・デメリットやDX事例を徹底解説

医療DXとは?実現できることや事例を徹底解説

DX(デジタルトランスフォーメーション)により、私たちの生活はより良いものに変革できると期待されています。

そして現在、様々な業界でDX化が進められていますが、医療業界も例外ではありません。

そこで今回は、「医療DXの現状と課題」「医療DXによって実現できること」について詳しく解説していきます。

さらに、実際に行われている「医療におけるDX事例」も紹介していきますので、医療DXを検討している方はぜひ参考にしてください。

医療DXの事例紹介前に…医療DXとは?

医療DXとは、病院や薬局、訪問看護ステーションなどの医療機関が、患者に関する情報やデータをもとに、デジタルテクノロジーを使ってより良い医療サービスや予防医療などを提供していくことを指しています。

またDX化により、医療現場で働く人の環境改善も期待できます。

日本の医療保険制度では、医療機関の自由選択や公平性が求められています。

医療DXを進める際には、ほかの医療機関より優位に立つことを考えるのではなく、各医療機関が情報を共有し、医療の提供をより効果的かつ効率よく行えるかを考えるのがポイントです。

医療DX事例の現状と課題について

経済産業省のIT政策実施機関であるIPAが公表した「DX白書2023」によると、医療福祉業界で「DXを実施している」と回答したのは、わずか9.3%という結果でした。

ほかの業界と比べて、医療業界でDX化が進んでいない理由は何なのでしょうか。

具体的な課題をあげてみます。

医療DXの現状と課題①「ITリテラシー不足」

例えば、医療機関で導入されている電子カルテの普及状況は、令和2年の調査(医療施設調査|厚生労働省)によると、400床以上の病院で90%以上と進んでいるのに対し、200床未満の病院では50%以下となっています。

この理由として考えられるのが、医師やスタッフのITリテラシー不足です。医療に関する専門的な知識をもった医師でも、パソコンが上手く使えないと電子カルテの操作は難しいでしょう。

働く人数の多い大規模病院ではITツールを使いこなせる人材も集めやすいですが、小規模な医療機関や診療所では、なかなかITリテラシーが向上しないのが現状です。

また患者さん自身が、IT機器に慣れていないという点もDX化を阻む原因となります。

PCに向かってカルテの記入を行うことで、患者さんが医師との距離を感じてしまったり、スマートフォンなどを利用した予約システムの使い方がわからなかったり、高齢の患者さんが多い医療機関では、むやみにデジタル化を進めることが難しいケースもあります。

医療DXの現状と課題②「医療機関の予算制限」

医療DXを進めようとすれば、ある程度のコストがかかります。特に規模の大きな医療機関で大掛かりなシステムを導入しようとすると、かなり大幅なコスト負担となるでしょう。

国が医療費抑制策を推進している日本では、多くの医療機関で経営が悪化しており、DX化に割ける予算が限られているのが現状です。

地域の小規模な診療所では、小さなところからDX化を進めていこうと思っても、レセプトコンピューターや電子カルテシステムの導入は、決して少なくない負担であることは否めません。

医療DXの現状と課題③「医療従事者の不足」

少子高齢化が進み、労働人口が減少している日本では、医療従事者不足が深刻な問題となっています。

診療に必要なスタッフを確保できず、やむを得ず診療科を減らしたり、休診したりするケースが後を絶ちません。

ほかにも基幹病院や中核病院では、夜勤や長時間の拘束などハードな勤務体制によって離職率が高くなり、慢性的な医療従事者不足に悩まされているケースも多々あります。

医療DXを進める以前に、病院経営自体が厳しい状況でもあるのです。

医療DXの現状と課題④「地域による医療格差」

地域による医療格差は深刻です。

人口の多い都市部ではたくさんの医療機関がありますが、人口の少ない過疎地域では、医療機関が足りないといった問題が起きています。

過疎地では高齢者も多く、本来であれば迅速に対応できる医療機関が必要です。

しかし現実には、こうした地域には入院設備などを伴う医療機関がないことも多く、住む地域による医療サービスの不公平は開く一方です。

医療DXの現状と課題⑤「アナログな業務習慣の定着」

電子カルテは1999年に厚生労働省に認可されましたが、規模の小さな診療所では未だ普及率が低いままです。

これは導入コストの負担、パソコンの操作が不慣れであるといった理由以外に、紙カルテに対する医師自身のこだわりも関係していると言われています。

診察のときに患者さんと向き合い、会話をしながら紙カルテに書き込むという作業は、患者さんと医師の信頼関係を築くために必要だと考える医師は少なくありません。

また電子カルテでは、ひとつの病気に対して1病名のみの表現しかできませんが、紙カルテであればひとつの症状に対して複数の病名を書くことが認められています。

アナログ業務だからこそできる習慣は、患者にとって良策であるという意見も一理あり、あえて電子カルテ導入を見送る医師もいるのです。

医療DX事例によって実現できること

どのような業界でも、「DX化することで何が実現できるのか」、具体的にわからないと推し進めていくことは難しいでしょう。

ここからは医療DXによって実現できることをいくつか紹介していきます。

医療DXによって実現できること①「医療業務以外の業務効率化」

医療現場には、医療行為以外にも効率化すべき点がいろいろあります。

例えば患者さんの待ち時間短縮です。具合の悪い患者さんにとって、長い時間病院内で待つことは、肉体的・心理的な負担が大きいものです。

またいろいろな症状をもった患者さんが待機する待合室では、院内感染のリスクも発生します。

デジタル技術を用いた予約システムを導入することで、こうした患者さんの待ち時間を削減することができ、多くのメリットが生まれます。

ほかにも電子カルテの導入によって、膨大な紙カルテの保管場所が必要なくなります。

また患者さんのIDを入力すれば、過去のカルテ情報を簡単に取り出すことが可能です。

今までのように、膨大な紙カルテの中から情報を探す時間と労力はいらなくなります。

電子カルテによるDX事例では、「事務的な業務負担が軽くなった!」といった声も多く聞かれます。

医療DXによって実現できること②「クラウド化によるBCP強化」

大規模な災害が懸念されている日本では、BCP(事業継続計画)が求められています。

BCPとは、地震や台風の自然災害といった非常事態が発生した場合に、重要な事業を継続するための方法や手段を取りまとめた計画のことです。

仮に紙カルテで診療を行っている場合、災害時には流出や消失などにより、大切なカルテを紛失してしまう可能性があります。

電子カルテを導入しクラウドに保管しておくことで、大切な患者データを失わずに済み、医療現場だけでなく患者さんにもメリットがあることでしょう。

医療DXによって実現できること③「予防医療サービスの普及・実現」

日本は40年以上、世界で一番長寿の国という立場を保ち続けています。

そして世界的に見ても超高齢化社会に突入している日本では、近年医療に対する考え方が変わってきました。

今までは「病気にかかってから治す」というのが一般的だった医療が、「病気になりにくい体作りで健康維持」といった視点に変わってきているのです。

こうした予防医療の取り組みでは、食生活や運動といった生活習慣の改善や健康診断など、健康なときにおける病気予防の意識が大切になってきます。

毎日の運動量や体温測定、血圧などの数値を、デジタル端末に記録して管理していくことは、体調管理だけでなく医療提供の際に役立つことでしょう。

医療DXによって実現できること④「オンライン診療やオンライン問診票の実用化」

オンライン診療は、コロナ禍での非対面診療をきっかけに急速に広まりつつあります。

もともとは医師が少ない過疎地などでも、適切な医療サービスが受けられるように始まった診療方法でしたが、パンデミックの際、感染リスクを抑えながら診療できるというメリットが注目され、数多くの医療機関でのDX事例となりました。

なかでもオンライン問診は、患者さんと医療機関、双方にとってメリットが大きなシステムです。

自宅でWEB問診表に記入してデータを送信すれば、患者さんは医療機関での待ち時間の短縮になり、ほかの患者さんからの感染リスクを減らせます。

医療機関は電子カルテへの転記作業がなくなり、大幅な業務の軽減が期待できます。

医療DXによって実現できること⑤「医療ビッグデータの活用」

情報通信技術の驚異的な進化により、多くのデータを収集できるようになりました。

現在、様々な業界でこのビッグデータを収集・活用していますが、医療業界も例外ではありません。

実際のDX事例では、電子カルテを医療機関同士で共有することで、診療の時間短縮や重複する検査項目の簡素化につながっています。

また特定疾患の臨床データや薬局での調合データは、新しい治療に関する研究や新薬の開発などへ有効活用が可能です。

今後、AIとビッグデータを組み合わせることで、病気の早期発見や画像診断の精度アップ、さらには病気の発生確率の予測まで期待できるともいわれています。

医療DXによって実現できること⑥「患者さんの待ち時間削減」

病気を抱えた患者さんにとって、医療機関での待ち時間は大変苦痛なものです。待つこと自体がストレスになるだけでなく、院内感染のリスクも伴います。

医療DXが進むと、医療機関同士が患者さんの情報を共有することができ、複数の医療機関を受診した場合、同じ検査を省くことが可能になります。

患者さんの待ち時間を短縮できるだけでなく、高騰する医療費の抑制にもつながるでしょう。

医療におけるDX事例

医療業界で取り入れられているDX事例について、具体的なツールを紹介していきます。

医療DX事例①Medicom-HRf Hybrid Cloud

「Medicom-HRf Hybrid Cloud」は、デバイスフリーの電子カルテシステムです。院内で使っている電子カルテを院外でも閲覧できます。また往診先で撮影した患部の画像を取り込んだり、カルテの記録が可能です。

予約・再来受付システムや、医療用画像管理システム(PACS)、患者さんが来院前にスマートフォンやパソコンで問診票に記入する問診システムなど、ほかの様々なサービスとの連携ができ、患者さんと医療機関の双方において利便性が高まるシステムです。

データをクラウド上に保管するため、もしもの時にも簡単にデータ復旧ができ、迅速に医療サービスの提供を再開できます。

医療DX事例②Air WAIT

「Air WAIT」は、iPadを使った受付・順番待ち管理システムです。飲食店などで広まっていますが、医療分野でも活用されています。例えば病院では、オンラインによる予約受付をすれば、順番が近づいてから来院することが可能になり、待合室で長時間待ったり院内感染のリスクを減らしたりできます。

導入に必要なのは、iPadとプリンターのみ、低い初期費用でスタートできる魅力があり、実際に多くの診療所などのDX事例があります。

医療DX事例③HELPO

ソフトバンクが提供している「HELPO」は、からだの悩みをいろいろな方法でサポートしてくれるヘルスケアアプリです。

具合が悪くなった時にいつでも相談できるよう、医師や看護師・薬剤師を中心とした医療チームが、24時間体制でチャットの相談に応じてくれます。

ほかにも病院検索やオンライン診療などのヘルスケアサービス、従業員の健康管理を担う法人向けサービスなど、いろいろなオンライン健康医療相談サービスを提供しています。

もちろん先ほど紹介した「Medicom-HRf Hybrid Cloud」との連携も可能です。

医療DX事例④AI問診ユビー

「AI問診ユビー」は、Ubie社が提供するAI搭載のWEB問診システムです。患者さんが入力した問診内容が電子カルテに自動反映され、医師がそれを見ることができるだけでなく、AIによって病名が算出されます。

自宅にいるときに問診表へ回答できるため、医療機関内の待機時間短縮や院内感染リスクの低減につながります。もちろん電子カルテによるスタッフの業務負担軽減にもつながることでしょう。

医療DX事例⑤センシングウェーブ

夜間は医療機関のスタッフも少なくなります。しかしながら患者さんが睡眠時に体調が悪化することは珍しくありません。

「センシングウェーブ」は、凸版印刷が提供している非接触型のセンサーで、ベッドマットレスの下に設置する装置です。

患者さんの睡眠の深さ・心拍相当数・呼吸相当数の計測や、ベッドから起き上がって離れたり、ベッドに戻ってきたりしたタイミングもPC上で確認できます。

全フロアの患者さんの情報を1台のPCで管理できるため、異常時におけるスタッフの連携に役立ちます。

医療DX化をご検討の方はMabuhayTechへ

MABUHAYTECH

私たちの暮らしを、より良いものに変えていくと期待されているDX(デジタルトランスフォーメーション)は、医療業界でも注目されています。

しかしながら医療DXは思ったより進んでいません。

ITに対するリテラシー不足や、紙カルテなどアナログ習慣の定着、DX化への予算の壁など、医療DXには様々な課題が残っています。

ただし医療DXで実現できることもたくさんあります。

電子カルテやオンライン問診表などの導入で、医療業務以外の効率化が可能です。

患者データをクラウドに保管すれば、災害時に対応できるBCP(事業継続計画)の強化につながります。

もちろん、患者さんにとってのメリットも数多くあります。病院での待ち時間短縮や感染リスクの低減は、患者さんのストレスを大幅に減らすことでしょう。

さらに医療ビッグデータを活用すれば、新たな治療法の発見や新薬の開発も期待できます。

このように医療DXの推進は、医療業界や患者さん双方の明るい未来を支えるものです。

MabuhayTechでは、医療DXの導入サポートを行っています。

多くの業界で急速にDX化が進められている昨今、日本国内のリソースだけでは、十分なDXは期待できません。

日本ではIT人材の不足が叫ばれており、優秀なエンジニアの確保は非常に困難だと言われているからです。

そこで注目されているのが、オフショア開発(オフショアDX)と呼ばれる、DX化のシステム開発業務の海外委託です。

MabuhayTechはフィリピンに拠点を置く企業です。フィリピンでは国を挙げてIT人材の育成に努めており、若くて優秀なエンジニアが数多く育っています。

MabuhayTechは、フィリピンの優秀なIT人材と日本企業をマッチングさせ、安全性と信頼性の高いシステム開発・ソフトウェア開発などを低コストで提供しています。

電子カルテなどの導入は、400床を抱える大規模病院だけにメリットが大きいわけではありません。

スタッフの数が少ない診療所だからこそ、DXを導入して業務負担の軽減に努めるべきなのです。

MabuhayTechでは医療施設や薬局など、顧客のニーズにあわせた開発サービスを提供しています。

「医療DXはお金がかかる」と諦めてしまう前に、まずは低コストで導入できることから始めてみませんか?

また「ITの知識がない」「どこから手を付けていいのかわからない」という人も、まずはMabuhayTechにご相談ください。

どのようなサービスがあるのか、何を導入すれば効率よく改善できるのか、一緒に考えていきましょう。

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