生徒一人一台にタブレットが配布されるなど、学校教育の場でDX化が進められています。
文部科学省でも教育DXの推進はて提唱されており、導入することへのメリットも大きいと言われています。
この記事では、教育DXについて「教育DXとは?」「教育DXの現状と課題」「導入のメリット」などについて詳しく解説していきます。
実際の教育DX事例も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
教育DXとは?メリットやDX事例を徹底解説
教育DXとは、デジタル技術を活用して教育改革を行っていく取り組みのことです。
世界中で情報化が進んでいる昨今、それらに対応できるような教育を確立する必要があります。
もちろん一人一台のタブレットを配布し、教科書の代わりにタブレットを使ったり、宿題をタブレットで提出・添削したりするのも教育DXの一環です。
しかしながら、ツールを使いこなすだけが教育DXではありません。
デジタル技術を用いて授業価値を高度化する、生徒の出席記録や様子などを入力してデータ管理する、学ぶ場所を選ばない教育改革など、教育現場で実現可能なDXは多岐にわたります。
さらに、学生時代からデジタルに対応することで、将来、デジタル人材育成に役立つことが期待されているのです。
教育DXの現状と課題
教育DXは生徒だけでなく、学校現場・保護者といった3者にそれぞれメリットをもたらします。
しかしながら、その導入は決して簡単なものではありません。
では教育DXの現状と、立ちはだかる課題とはいったいどのようなものなのでしょうか。
教育DXの課題①インフラの整備の遅れ
教育DXひとつめの課題は「インフラ整備の遅れ」です。
手始めに、「全国の小中学校で生徒一人一台のタブレット端末を配布する」といった目標は、GIGAスクール構想が進められる中で実現されました。
しかしタブレット端末は維持費がかかります。
不備が出た端末を毎年新しくしたり、ソフトウェアの更新をしたり、端末を配布しただけで終わりではなく、インフラ整備は使い続ける以上永遠に続くものなのです。
導入コストと維持費は莫大なものであり、予算が割けない自治体のインフラ整備の遅れが指摘されています。
教育DXの課題②指導側の知識不足
教師や指導者側の情報リテラシーや知識不足も問題です。
教育DXの実現は、IT人材の確保がなければ成り立たず、しかも教師のITリテラシーが低いままでは、せっかくのデジタル教材を生かした授業ができません。
環境整備だけでなく、教育現場に立つ教師のリテラシー習得も大きな課題と言えるでしょう。
教育DX導入のメリット
教育DXで得られるメリットは、立場の違いによって異なります。
「教育者」「生徒」「保護者」、それぞれの立場で異なるメリットについて解説していきます。
教育DX導入のメリット①教育者にとってのメリット
日本の教育現場では、先生1人が何十人といった生徒を受け持ちます。
当然、生徒個人の特徴は異なりますが、従来の教育現場では、先生が感覚的に生徒の個性を把握している状態でした。
取得できるデータは「定期テスト」といった限られた情報であり、詳細なデータに基づいて細やかな指導を行うというのは難しかったでしょう。
教育DXが進めば、定期テストだけでなく日々の小テストや課題の達成状況、出席記録、毎日の生徒の様子など、さまざまなデータを蓄積することが可能です。
それらのデータをもとに、生徒一人一人のデータを客観的に把握し、特性にあわせた指導を行っていけるようになります。
また、今まで紙ベースだったテストや課題をデジタル化すれば、回収・採点・集計・成績評価といった事務作業の時間を大幅に短縮できるでしょう。
業務効率化が進めば、問題となっている教師のワークライフバランス改善にもつながり、教師不足や離職率改善といった課題の解消も期待できるのではないでしょうか。
教育DX導入のメリット②生徒にとってのメリット
生徒や児童にとって、教育DXのメリットひとつめは、効率的に学習ができるという点です。
今後、感染症の拡大や大規模な災害なので、学校へ登校できないといったことも起こり得るでしょう。
この場合、DXにより遠隔授業が行われれば、生徒は学校へ行かなくても授業を受けられます。
もちろん何らかの事情で長期欠席を余儀なくされている生徒にとっても同じで、どのような環境でも授業を受けられる教育DXは、生徒たちにとってメリットの大きなものとなるでしょう。
ほかにもデジタル教科書の活用は、学習をより効率的に取り組むことが期待できます。
例えば、ネイティブの発音で英語を学ぶことができたり、算数の立体図形をわかりやすく動画で確認できたり、紙の教科書以上の情報で深い理解が可能になります。
重要事項をマーカーで引いている生徒は多くいますが、誤って引いてしまったマーカーを消すこともデジタル教科書なら簡単です。
教育DX導入のメリット③保護者にとってのメリット
教育DXは、学校と保護者との連絡を簡素化できます。
子供が体調不良で欠席をするとき、従来であれば電話連絡が必須でしたが、朝の忙しい時間に電話連絡をするのは大変で、なかなかつながらないといった問題もありました。
スマートフォンなどのデジタル機器を用いた欠席・遅刻連絡が可能になれば、保護者の負担は軽減され、学校側の集計ミスもなくすことができます。
また紙で行っていた学校アンケートをオンラインでの回答にすれば、提出忘れや紛失などを回避することが可能です。
ほかにも、特に低学年のうちは、提出物や学習の理解度が気になる保護者は多いでしょう。
こうした学習状況を保護者が客観的に把握できれば、苦手分野へ早めに対応可能となります。
教育DXの課題に向けたDX事例
生徒一人ひとりへのタブレット配布というインフラ整備は整ったものの、その後は何をすればいいのかわからないという声をよく聞きます。
そこで実際に教育DXがどのように進められているか、企業が導入した具体的な事例を紹介していきます。
教育DX事例①「Classi」
「Classi」は、教育現場のICT化をサポートしてくれる教育プラットフォームです。
利用できるデバイスは、PC・タブレット・スマートフォンなどマルチ対応していて、様々な方向からコミュニケーションが取れるクラウドサービスとなっています。
「アダプティブラーニング」「アクティブラーニング」「コミュニケーション」「ポートフォリオ」4つの領域で学習をサポート、ほかにもメッセージ機能やアンケート機能などを搭載しています。
例えば生徒には、外部模試の結果をもとに、AIがその生徒のために選んだ問題を出題、学習効果を最大限に引き出してモチベーションをアップさせます。
単元や学習主題など、必要なキーワードによる検索を可能にしたアクティブラーニングができるほか、一人ひとりにあわせた学習内容が最適化されていくアダプティブラーニングにも対応。
飽きの来ない学習方法で、将来の夢に向かってチャレンジすることができます。
教師の業務は、何かと事務作業が多く、負担が大きくのしかかっていましたが、Classiの利用により生徒の活動履歴をより細かく、客観的に把握できるようになりました。
また様々なデータをもとに、生徒の情報を可視化することで、ベストなタイミングで生徒への声掛けができるようになっているのも魅力です。
「Classi」は学校と保護者をつなぐツールでもあります。
スマートフォンで欠席・遅刻・早退などが入力できる「欠席連絡機能」は、忙しい朝の保護者負担を軽減しました。
ほかにも生徒を通じて配布されていたプリントをオンラインで行ったり、保護者へのアンケート回答がスマートフォンなどから自由に参加できたり、コミュニケーションを効率よく行える工夫がしてあります。
「Classi」を利用している学校数は、2022年度末時点で累計2300校、利用生徒数は210万人以上に達しています。
教育DX事例②「atama+」
「atama+」は、AIを用いて生徒一人ひとりの理解度を分析、「自分専用の学習カリキュラム」を作ってくれる学習システムです。
自分一人で勉強していると、「次に何をすればいいの?」と迷ってしまうことも少なくありません。
「atama+」は、収集したデータをもとに、一人ひとりに合った演習・講義動画などを明確に提示してくれるので、指示に従って勉強を進めていくだけで徐々に力が付いてきます。
「atama+」は、特に中高生をターゲットとしたパーソナライズ教材であり、範囲の広い共通試験などの学習対策として有効です。
診断 ⇆ 講義 ⇆ 演習 ⇆ 復習 といったカリキュラムを、AIが自動で組んでくれるので、自分の足りない部分を効率よく補う学習が可能になります。
もっとも優れている点は、苦手分野やあいまいになっているところを、遡って教えてくれる、つまり遡行学習ができる点です。
英語や数学などは、特にわからなくなったときに遡って学習することが大切だと言われており、「atama+」を利用する価値は高いでしょう。
教育DX事例③「Qubena」
「Qubena」は全国の小中学校のデジタル教材として注目されています。
国語・算数(数学)・理科・社会・英語に対応していますが、特に人気が高いのは算数・数学の作図やグラフ作成問題です。
例えばコンパスを使った作図では、[コンパスツール] をタッチして、作図の中心にコンパスの針を合わせて描きます。
ほかにも[分度器ツール][定規ツール][点ツール]などがあり、関数のグラフ作成なども対応可能です。
もちろん生徒が解いた問題などは管理システムにリアルタイムで分析され、その後の学習カリキュラムに反映されます。
実際に導入した学校事例によると、教科書に設定されている授業時数よりも短い時間で学習範囲を終了し、創出された時間を先取り学習や探求学習に充てることができたという回答も得られています。
教育DX事例④「Comiru」
「Comiru」は、学習塾専用の業務効率化システムツールです。
塾は勉強などを教える業務以外にも、「保護者対応」「入退室管理」「成績管理」「請求書作成」などがあり、講師に大きな負担がかかっていました。
こうした対応に不満があると、退塾する生徒が増えたり、講師の離職率が高くなったりします。
「Comiru」は請求書作成・成績管理・座席管理などの事務的な業務を自動で行ってくれ、さらに生徒の保護者とのコミュニケーションツールも搭載しています。
このツールを導入することで、月100時間もの業務時間削減に成功した塾もあり、講師負担軽減や人件費などのコスト削減が実現可能です。
教育DX化をご検討の方はMabuhayTechへ
デジタル改革は、教育現場でも行われています。
未来を担う子供たちにとって、情報化へ対応した教育は必要不可欠であり、生徒一人一台のタブレット配布を始め、国も教育DXを推進しています。
ただしタブレットを配布すればDXが終了というわけではなく、その後もソフトウェアの更新や端末の刷新などインフラ整備は続き、教育者・生徒・保護者の三者にとってメリットをもたらす取り組みが必要です。
具体的には、生徒の成績や毎日の様子などをデータ化し、指導を客観的に行えるようにしたり、生徒が効率的に学習することができるようにしたり、保護者とのコミュニケーションがより円滑に行えたりできることが、教育DXのメリットと言えるでしょう。
実際の教育現場でも、DX導入は進められていて、生徒の学習向上だけでなく、教育者の負担軽減などにも役立っています。
フィリピンに拠点を置くMabuhayTechは、日本企業のアウトソーシングをサポートしており、教育DX を実現するためのシステム開発に対応しています。
フィリピンは、オフショア開発国として人気が集まっていますが、その理由は優秀なIT人材が多くいるからです。
国を挙げたIT人材の育成に取り組むフィリピンには、若くて優秀なIT人材が育っており、人材不足に悩む日本企業とマッチングしたオフショア開発への取り組みが注目されています。
MabuhayTechでは、教育DXのためのソフトウェア開発や、ラボ型開発のためのIT人材派遣などを提供しています。
ありとあらゆる業界で、今後DX化が急速に進められていくと考えられている中、「どのようなことから始めればいいのか」「どういった方法があるのか」と興味がある人も多いでしょう。
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