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宿泊業界のDXとは?メリットやホテル・旅館のDX事例を徹底解説

宿泊業界のDXとは?メリットやホテル・旅館のDX事例を徹底解説

宿泊業界は景気や世界的に広がる感染症など、多くの影響を受けることがあります。

実際、コロナ禍によって宿泊業界は大きなダメージを受けました。

離れた宿泊客を呼び戻すためには、国内の旅行活性化だけでなく、外国人旅行客のインバウンド需要回復も重要です。

そこで注目されているのが、IoTやAIなどを活用した宿泊業界のDX化です。

今回の記事では、「宿泊業界のDXとは?」「宿泊業界にDXが求められる理由」「宿泊業界DXのメリット」について詳しく解説していきます。

ホテルや旅館など、実際に導入されたDX事例も併せて紹介していきますので参考にしてください。

ホテル・旅館など宿泊業界のDXとは?

様々な業界でDX導入の動きが広まっていますが、ホテルや旅館など宿泊業界でのDXとはどのようなものがあるのでしょうか。

宿泊業界で導入できるDXツールには多くの選択肢があります。

代表的なものは、宿泊予約などの「予約管理」システムです。

ほかにもチェックインやチェックアウトを担う「コンシェルジュ業務」、アメニティやリネン・食材の発注など「在庫管理」、館内を清潔に保つ「清掃管理」など、DXツールを活用することで多くの業務を効率化、負担軽減することが可能になります。

従来スタッフが負担していた業務をDX化によって減らすことができれば、空いたリソースを使って新たなビジネスを生み出すビジネス変革も期待できます。

インバウンド需要に応えるべく改革が求められている宿泊業界は、早急にDXを進める必要があるのです。

ホテル・旅館など宿泊業界にDXが求められる理由

多くの業界でDX化が進められていますが、ホテルや旅館といった宿泊業界でとくにDX導入が求められている理由を考えてみましょう。

宿泊業界にDXが必要とされる理由①人手不足

コロナ禍で海外からの旅行客が完全に途絶えた宿泊施設では、スタッフの雇用を維持することができずスタッフの多くが離れていきました。

感染状況が落ち着き、再び海外からの旅行客が戻りつつあることから、以前のようにスタッフの数を増やそうと求人募集をしましたが、なかなか人手が集まらないといった課題を抱えています。

インバウンド需要は世界各国がビジネスチャンスとして捉えており、機会を逃してしまうと海外からの旅行客を呼び戻すのは難しくなります。

宿泊業界の人手不足がすぐに改善されないなか、インバウンド需要を確保するためにはデジタル改革が必要不可欠なのです。

宿泊業界にDXが必要とされる理由②労働環境の改善・離職リスク解消

宿泊業界は夜勤や早朝勤務など、スタッフにかかる負担が大きい職種です。

そのため、ほかの業種と比べると離職率が高く課題となっています。

日本全体で人手不足が叫ばれている中、宿泊業界で新しい人材を獲得することは難しく、今働いているスタッフにさらなる負荷がかかることも懸念されています。

宿泊業界での雇用を守るためにも、根本的な労働環境改善を進めるデジタル変革が必要です。

宿泊業界にDXが必要とされる理由③顧客ニーズの多様化

ホテルや旅館へ宿泊する顧客にも変化が起きています。

今までは丁寧な接客サービスや日本独自の細やかな“おもてなし”を希望する顧客が多くいましたが、「チェックイン・チェックアウトの際にスタッフと接触するのを避けたい」「大浴場ではなく貸切風呂を利用したい」など、顧客ニーズは新しくなっています。

また、旅行代理店を通さずにホテルや旅館を予約したり、実店舗を持たないネット上の旅行代理店を利用したり、宿泊業界も顧客ニーズの多様化に対応しなければ宿泊客を呼び込めないのが現状です。

多様化する顧客ニーズへ速やかに対応するためにも、デジタル化を推進することが求められています。

ホテル・旅館など宿泊業界DXのメリット

では実際にホテルや旅館など宿泊業界でDXを導入した場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

3つのポイントから具体的なDX事例のメリットを解説していきます。

宿泊業界DXのメリット①顧客体験の向上・創出

宿泊業界DXでは、今までの「泊まる」サービスだけでなく、新しい「体験型のサービス」提供が期待されています。

体験型サービスを顧客に感じてもらうことで、「もう一度ここに泊まりたい」というリピート概念を抱いてもらうのです。

具体的には、エントランスやキッズスペースなどでのプロジェクションマッピングの演出や、広大な自然を生かしたドローン操縦体験など、デジタル技術を活用した新しい体験型のサービス提供はリピート率向上につながるでしょう。

また顧客データを分析し、ターゲット層の食事などの嗜好を分析することも顧客満足度につながります。

ほかにも多言語対応はインバウンドにとって重要なポイントです。

多言語を扱うスタッフの雇用は難しいですが、多言語対応のための翻訳・通訳ツールの導入なら、人手不足と多言語対応の課題解消の両方を解決できます。

宿泊業界DXのメリット②人手不足を解消

宿泊業界の人件費率は高く、およそ40%前後だと言われています。

労働人口の減少により日本国内の人手不足が深刻な中、新たに宿泊業界で人員を確保するのは難しく、仮に雇用が確保できたとしても経営を圧迫することは避けられません。

そこで期待されているのがDX化です。

例えばオンラインでの予約システム、受付ロボットやアプリによるチェックイン・チェックアウトの自動化、掃除ロボットの投入など、デジタル技術による省人化・無人化を進めることは、人手不足の解消につながると期待されています。

最近躍進しているインターネットでの予約サイトは、グローバルな集客力を見込めるメリットが大きい反面、手数料が高額であるなどの課題も残ります。

一度宿泊して良さを感じてもらったリピート客には、直接予約を受け付けられる体制を作っておくと、ホテル・旅館側としても採算面でのメリットが大きくなるでしょう。

一方デジタル化に偏り過ぎると、サービスに対する顧客満足度が低下してしまうことも考えられます。

デジタル化による人員不足の解消と、今あるリソースでのサービス向上をバランスよく行っていくことが大切です。

宿泊業界DXのメリット③安全性の向上

宿泊時における様々なトラブルへの対策に、デジタル技術を活用することも有効です。

海外から旅行に訪れる外国人にとって、急病やケガなど不安に感じることがあるでしょう。

日本では全国的に地震などの災害が多発しており、こうした事態に対応できる対策について普段から情報発信しておけば、安心して旅行に訪れてもらえます。

具体的なDX事例としては、AIカメラとデジタルサイネージを組み合わせ、宿泊客にわかりやすい混雑状況の可視化、保守メンテナンスにIoTを導入し人為ミスを減らす、フロント業務の自動化による感染症リスクの低減などがあげられます。

こうした宿泊業界DXの導入は、インバウンドの外国人旅行客だけでなく、国内からの宿泊客の安全性向上としてもアピール可能です。

ホテル・旅館など宿泊業界におけるDX事例

ここからは、ホテル・旅行で実際に導入されたDX事例をいくつか紹介していきます。

宿泊業界におけるDX事例①株式会社陣屋

株式会社陣屋が経営する旅館「陣屋」では、宿泊業では珍しい定休日を設けて週5日稼働を導入しています。

これは従業員の離職率を防いで旅館としてサービス向上へつなげ、結果として顧客の満足度アップにつなげるという試みの一環です。

一時は倒産寸前まで陥った株式会社陣屋では、積極的にITを活用し、「陣屋コネクト」と呼ばれるおもてなしイノベーションを実現させています。

人感センサー設置で清掃業務を効率化

日本の旅館において風呂の管理は最も重要なポイントで、温度管理や清掃など、常に最適な状態に保っておくことが求められています。

しかしながら、気温や湯温によって左右される風呂の温度管理は想像以上に難しく、毎日相当な手間をかけて業務を行っています。

それでも「熱い」「ぬるい」といったクレームは起き、こうした状況は宿泊客の満足度に直結する問題です。

陣屋では浴槽に湯温センサーを設置、24時間体制で温度や水位を監視できる体制を整え、異常が感知されると音声で自動的に知らせてくれるシステムを導入しました。

これによりいつでも快適なお風呂を楽しんでもらえるだけでなく、スタッフの温度調整の確認作業の効率化に成功しています。

また大浴場には人感センサーを設置、今までは客が多いときも少ないときも2時間おきにタオル交換や清掃を行っていたスタッフ業務を見直し、大浴場への出入り人数によってスタッフのタオル補充や清掃のタイミングを最適化しました。

自動車ナンバーと宿泊履歴を自動照合

リピート客にとって、再び宿に訪れたときに自分の名前を呼んでもらえることは嬉しいことです。

陣屋では、IoTとAIを活用して来客の車のナンバープレートを認識し、顧客データを呼び出すシステムを構築しました。

ナンバーからリピーターだと特定された顧客情報は、社内にいるスタッフに速やかに通知され、ドアマンや仲居の接客応対に変化が生まれます。

情報が通知されるまでの時間はわずか2秒、デジタル化は顧客満足度の高いサービス提供に役立つDX事例です。

宿泊業界におけるDX事例②清掃ロボットの導入

人手不足に悩む宿泊業界では、清掃ロボットを導入する動きが高まっています。

大阪天王寺にあるホテル&バリタワーは、深刻化する人手不足解消のために、清掃ロボットの導入を決めた企業の一つです。

大理石フロアのフロントロビーはモップによる水拭き、カーペット敷きの宿泊フロアは掃除機と、常にスタッフは清掃に追われていましたが、清掃ロボットを導入したことで省人化に成功しました。

今まで清掃に追われていたスタッフは、宿泊客に対してのおもてなしサービスにく注力することが可能になり、スタッフの業務軽減だけでなく顧客のサービス満足度アップにつながるDX事例となりました。

宿泊業界におけるDX事例③予約・フロント業務を一元管理

宿泊業界にとって、ダブルブッキングは信頼を失う大きな要因になります。

だからといって稼働率を上げなければ、宿泊施設としての収益を確保できません。

そのために複数の予約サイトへ登録し、さらに直接予約を受けることで稼働率アップに努めているのが現状でしょう。

ひとつのサイトで予約が埋まれば、外のサイトでは空室を減らさなければならず、なるべくリアルタイムで予約管理しなければダブルブッキングのリスクは高まります。

ホテルPMSサイトコントローラーと呼ばれる宿泊システム・予約システムは、人の手で行っていた予約・フロント業務の一元管理が可能です。

PMSでは稼働率・予約ルート別の比較・男女年齢国籍の特性など、様々なデータを確認することが可能で、それらの情報をもとに今後の営業戦略を立てることもできます。

宿泊業界におけるDX事例⑤スマートチェックイン

従来、ホテルのチェックインは、フロントで名前・住所などを記帳してから部屋のキーを受け取るといった流れが一般的でした。

時間帯によってはフロントが混雑し、列をなしてチェックインを待つといった光景も珍しくありません。

「スマートチェックイン」はホテルのフロントに設置された専用端末に、スマートフォンをかざしてQRコードを読み取らせるだけで本人確認ができるサービスです。

ホテルによっては、そのままスマートフォンをルームキーとして使用できる場合もあります。

スマートチェックインを導入すれば、スタッフと宿泊客両方のカウンター手続きにおいて簡略化が可能です。

このように宿泊業界を取り巻く環境は決して楽なものではありませんが、宿泊業界DXを取り入れることで解決できることも多くあります。

宿泊業界DX化をご検討の方はMabuhayTechへ

ホテルや旅館などの宿泊業界は、人手不足や離職率の高さ、顧客ニーズの多様化など多くの課題を抱えています。

国内の旅行客だけでなく、海外からのインバウンド需要に応えるために必要なのが、IoTやAIなどを活用した宿泊業界のDX化です。

オンラインでの予約管理システムやアプリによるチェックイン・チェックアウトなど、デジタル技術を活用した自動化は人手不足の解消につながります。

またAIカメラは顧客の安全性を高めるだけでなく、おもてなしサービスの向上にも役立ちます。

宿泊業界は今、日本が誇る「おもてなし」のサービスを低下させず、宿泊客に新たな価値を提供できるDX化を進めていくことが求められているのです。

MabuhayTechはフィリピンに拠点を置くソフトウェア開発企業です。

様々な業界でデジタル化が求められている日本では、エンジニアの数が不足し開発費用が高騰しています。

国を挙げてITエンジニアの育成に取り組んでいるフィリピンには、多くの優秀なエンジニアが育っており、コストパフォーマンスの良いシステム開発が可能です。

「DXを導入したいけれど、何から始めればいいのかわからない」

そんな悩みをお持ちの方は、まずはMabuhayTechにご相談ください。

DXの第一歩は小さなことからで大丈夫です。一緒に新しい未来を考えていきましょう。

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