自社内ですべて完結するのではなく、外部に関連業務を委託するアウトソーシングは、今まで様々な業界で行われてきました。
そしてほとんどの業界でパソコンやインターネットを使用している現在では、IT関連業務を外部委託する企業が数多く存在しています。
そこで今回は、ITアウトソーシングとは?ITアウトソーシング市場や種類、海外ITアウトソーシングを利用するメリットなどについて詳しく解説していきます。
社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めたいと思っている企業や担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
ITアウトソーシングとは
ITアウトソーシングとは、「ITO(Information Technology Outsourcing)」と呼ばれることもあり、社内のIT業務を外部の専門業者に委託することを指します。
昨今はどのような業種でも、パソコンやインターネット、クラウドサーバーなどが当たり前のように使われています。
しかし多くの企業では、ITを専門に扱う部署を新たに立ち上げる余裕はありません。
情報セキュリティーや自社にとって必要なソフトウェア開発など、IT業務は自社にとって必要不可欠なものであるにもかかわらずです。
そこで必要とされるのが、ITアウトソーシングです。
IT分野は進化が急速で、IT業務全般を自社で対応し続けるのは容易ではありません。
ITアウトソーシングを利用し、専門業者にIT業務を依頼することで、本来の業務に専念することができるというメリットが生まれます。
コスト削減を実現し、世界中の企業と戦うために、ITアウトソーシングは選ばれています。
ITアウトソーシングの市場
ITアウトソーシングは、市場規模が拡大しています。
矢野経済研究所の調査(BPO市場に関する調査を実施・2022年)によると、2021年度のITアウトソーシング市場は、前年度比2.9%増の2兆6,888億円とされており、今後も拡大を続けていくとみられています。
ではなぜ、ITアウトソーシング市場が急激に拡大しているのでしょうか。
その理由のひとつが、働き方改革やDXの推進などを代表とする業務変革です。
日本では、人口減少に伴う労働力不足が懸念されており、様々な働き方改革が叫ばれています。
また、社内人員の配置を大幅に見直し、DXを導入して業務の効率化を図っている企業も増えてきました。
こうしたことを背景に、民間企業だけでなく官公庁などでも、ITアウトソーシングを取り入れようという機運が高まっていて、市場はますます拡大していくものと考えられています。
業務のシステム化
情報技術や医療技術など、多くの分野で技術革新が進んでいます。
それにより「人を介さないサービス提供」が急速に拡充しており、企業側は既存の業務遂行のプロセス見直しを迫られ、DX化を進める企業が増えているのが現状です。
しかしながらDX化の推進はそう単純なことではありません。
膨大なデータとデジタル技術を活用するDXは、専門性が高く、対応できる部署を自社で新しく立ち上げるには、人材やソフトウェア、IT構築など、大きな壁が立ちはだかります。
DX化は迅速に行うことでより大きなメリットを得られるため、ITアウトソーシングをうまく活用することが成功へのカギになると言われています。
就労人口の減少をアウトソーシングで補う
一般企業での人事・総務関連業務でも、アウトソーシング化が進んでいます。
今まで日本企業では、自社のリソースで人事や総務業務を行ってきました。
しかしながら人事担当者などの定年退職にあわせるタイミングで、人事・総務関連業務を外注化する動きが出てきています。
こうした流れは大手企業だけでなく、中小企業へも広まりつつあり、中小企業においては安価に利用できるクラウドサービスによる需要が急速に高まっています。
ITアウトソーシングは、ありとあらゆる業種、企業において身近な存在となっているのです。
ITアウトソーシングの種類
ここからは、ITアウトソーシングの種類について具体的にみていきましょう。
フルアウトソーシング
フルアウトソーシングとは、企画・設計・開発・テスト・運用保守など、すべてにおいて外部に委託して行うことです。
自社でのリソース(IT人材・設備など)確保が難しい場合に選択されることが多いです。
新たにIT部署を設立したり、IT人材を確保したりする必要がなくなるため、既存の主業務に専念することができます。
オフショア開発
オフショア開発とは、ソフトウェア開発やシステム開発などを、東南アジアのIT企業に委託する手法です。
日本ではIT人材不足による人件費高騰で、開発コストが高額になっています。
ベトナムやフィリピンなど東南アジアでは、IT人材の雇用にかかる人件費が安価であるため、開発コストを低く抑えることができるとニーズが高まっています。
またベトナムやフィリピンでは国策としてITエンジニアの育成に取り組んでおり、優秀なエンジニアを確保しやすいという点も魅力のひとつです。
運用アウトソーシング
ITシステムの、基幹となる部分や業務システムの開発は自社で行い、運用や保守を専門業者に委託するのが運用アウトソーシングです。
ITシステムは開発・導入しただけで終わりではなく、システムのアップグレードやセキュリティ対策などを都度行う必要があります。
こうした運用や保守業務を外部の専門業者に委託できれば、さまざまなリスクや不安を軽減することができます。
ホスティング
ホスティングとは、いわゆるレンタルサーバーのことです。
Webページを表示するために必要な文書ファイルや画像ファイルなどが収められているWebサーバー、メールの送受信を行うメールサーバー、データを管理するデータベースサーバー、情報を暗号化するSSHサーバーなど、ITシステムを導入し、運営していくためには「サーバー」の存在が欠かせません。
自社でサーバーを構築するためには、多くの人手やお金が必要です。
ホスティングを利用すれば、必要な分だけ借りることができ、管理やアップデートなどの面倒な手間を省くことができます。
ハウジング
サーバー自体をレンタルするホスティングに対し、自社でサーバーや通信機器を用意し、それをサービス会社に設置して、保守管理・メンテナンスを行ってもらうのがハウジングです。
サーバーの所有権は企業側にあり、保守管理やメンテナンスをアウトソーシングします。
常駐サービス
自社のITシステムの運用やサポート業務を、IT企業の社員に委託するサービスです。
単発で業務を依頼するのではなく、IT企業の社員に常駐してもらい、自社内で働いてもらいます。
新規立ち上げによるシステムトラブルなどにも、すぐに対処ができるメリットがあり、常駐期間は半年から長くても数年ほどです。
ヘルプデスク
いわゆるコールセンターのような、ユーザーからの問い合わせに応えるのがヘルプデスクです。
発注元の社員に変わり、システムや機器の使用方法などへの応対をしますが、昼間は社員が応対し、夜間・休日のみ、アウトソーシングを利用することもあります。
海外ITアウトソーシングを利用するメリット
アウトソーシング自体は、以前から様々な業種で行われてきましたが、近年IT分野では海外でのアウトソーシングが脚光を浴びています。
では海外ITアウトソーシングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
コストが安い
一番のメリットは、開発コストが安くなるという点です。
深刻なIT人材不足に直面している日本では、ITエンジニアの確保が非常に難しいと言われています。
優れたスキルを持ったITエンジニアが少ないと言われている日本では、自社で優秀なIT人材を確保するために、高額な人件費を払う必要があります。
近年、オフショア開発国として人気が急上昇しているベトナムやフィリピンでは、日本の3分の1ほどの人件費で人材を確保することが可能です。
もちろん言語や文化が異なるため、日本企業との橋渡し役であるブリッジSEなどの確保は必要ですが、物価や人件費が安いので開発コストを抑えることができます。
ソフトウェアの開発は半年から1年以上かかるものもあります。
日本で開発を進めるとなると、1千万円以上の開発コストがかかることも珍しくありません。
もし仮に3分の1の予算で開発できるとしたら、海外ITアウトソーシングのコスト削減効果はかなり高いと言えるでしょう。
エンジニアの数が豊富
ベトナムやフィリピンには、優秀なITエンジニアがたくさんいます。
ベトナムやフィリピンでは国を挙げてICTの普及に取り組んでおり、国策の一環として、ベトナムのハノイ大学やホーチミン市工科大学、フィリピンのフィリピン大学などで、優秀なIT人材の育成に努めています。
これらの大学では、世界中のIT系大学との交流や企業とのインターンシップを積極的に行い、AIやIoTなど最先端技術を実践的に学べる環境が整えられていて、結果として非常に優れたIT人材が毎年輩出されているのです。
フィリピンのソフトウェアエンジニアの平均月収は12万円ほど、フィリピンの平均月収が約4万円ですから、成績優秀な若者の多くがITエンジニアを目指すのも納得です。
こうした状況は今後も続くとみられており、ベトナムやフィリピンでは優秀なITエンジニアが多く育成されていくことは間違いありません。
もちろん輩出された若手のIT人材は、経験を積んでやがて熟練されたエンジニアに育ちます。
ベトナムやフィリピンでは今後、若手と熟練といった、層の厚いエンジニアたちが多く活躍すると言われています。
開発リソースのベースとなるIT人材の宝庫、海外ITアウトソーシングのメリットは大きいと言えるでしょう。
企業リスクの軽減
ITは、企業規模や業種を問わず必要とされていますが、IT関連業務を専属で担う部署を新設することが難しい企業も数多くあります。
しかも情報セキュリティやアップデートなど、ITを利用したDX化はいろいろなリスクにも対応していかなければなりません。
自社のノウハウですべてを対応するのではなく、海外ITアウトソーシングを利用することで、リスク管理の軽減を図ることが可能になります。
ITアウトソーシングのご相談はMabuhayTechへ
社内のIT業務を、外部の専門業者に委託するITアウトソーシングが注目されています。
ITを扱う部署は、あらゆる業種で必要となっています。
しかしながら、情報セキュリティーやソフトウェアの開発などを行う、IT専門部署の立ち上げは容易ではありません。
そこで注目されているのがITアウトソーシングです。
アウトソーシングといってもその種類はさまざまで、すべてを外部に委託するフルアウトソーシング、アップグレードや保守を委託する運用アウトソーシング、IT企業の社員に自社で働いてもらう常駐サービスなど、多くのアウトソーシングがあります。
なかでも注目されているのがオフショア開発です。
オフショア開発は、東南アジアのIT企業に開発業務を委託する海外アウトソーシングです。
フィリピンでは、国をあげてIT人材の育成に取り組んでおり、若くて優秀なITエンジニアが毎年輩出されています。
こうしたオフショア開発を利用することで、人件費を安く抑え、延いては開発コストの削減につなげることが可能です。
MabuhayTechは、オフショア開発国として人気があるフィリピンに拠点を置く、オフショアリングサービス会社です。
フィリピンの優秀なITエンジニアチームを擁するMabuhayTechでは、Web開発・モバイルアプリ開発・ソフトウェアの開発テストなど幅広いサービスを展開しています。
請負型の契約だけでなく、フィリピンに専属のITエンジニアチームを置くラボ型開発の提供も可能です。
フィリピンのIT人材は、真面目で作業スピードの速さに定評があります。
ITは、どのような業種においても必要不可欠な存在です。
IT人材の確保は、特に先進国において重要なポイントとされており、開発コストを削減するために多くの企業が海外アウトソーシングを導入しています。
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